マイクロ法人とは、社長1人(または少人数)で運営する小さな法人のことだ。 フリーランスや個人事業主が社会保険料を最適化するために設立するケースが多い。
僕自身、2名で合同会社を設立してマイクロ法人を運営している。バーチャルオフィスの住所で法人登記し、銀行口座・クレカも開設済み。この記事では、その実体験をもとにマイクロ法人の作り方を解説する。
IT系の事業を2名で運営中。GMOオフィスサポートの住所で合同会社を設立した。バーチャルオフィスの住所で銀行口座・クレカの審査も通っている。
マイクロ法人を作るメリット
マイクロ法人を作る最大の動機は社会保険料の最適化だ。
個人事業主は国民健康保険+国民年金に加入する。所得が増えるほど国保の保険料は上がり、年間80万円を超えることも珍しくない。
一方、マイクロ法人で役員報酬を最低水準(月額5.4万円など)に設定すれば、健康保険+厚生年金の保険料を年間約25〜30万円程度に抑えられる。個人事業と法人の「二刀流」で運営すれば、事業全体の手取りを最大化できる。
- 社会保険料の削減: 役員報酬を低く設定して保険料を最適化
- 法人税率の活用: 所得800万円以下は法人税15%(個人の所得税は最大45%)
- 経費の幅が広がる: 法人名義での契約・経費計上が可能に
- 信用力の向上: 法人格があると取引先や銀行からの信用が上がる
マイクロ法人は「合同会社」で作れ
マイクロ法人を作るなら、合同会社が圧倒的におすすめだ。理由はシンプルで、設立費用が安くて手続きが簡単だから。
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 6万円 | 15万円 |
| 定款認証 | 不要 | 約5万円(公証人手数料) |
| 設立費用合計 | 約6万円〜 | 約20万円〜 |
| 手続きの簡単さ | 簡単 | やや複雑 |
| 決算公告義務 | なし | あり |
差額は約14万円。マイクロ法人は対外的な信用度よりもコスト効率が重要なので、株式会社にする理由はほぼない。
僕も合同会社で設立した。取引先から「合同会社だから取引できない」と言われたことは一度もない。
マイクロ法人の作り方【5ステップ】
ステップ1:バーチャルオフィスを契約する
マイクロ法人の固定費を最小限にするなら、バーチャルオフィスの活用は必須だ。賃貸オフィスを借りると月5〜10万円かかるが、バーチャルオフィスなら月1,000円台から法人登記用の住所が手に入る。
僕はGMOオフィスサポートを使っている。選んだ理由は以下の通り。
- 初期費用0円(他社は数千円〜数万円かかる)
- **月額1,650円〜**で法人登記対応
- 郵便転送料が月額に込み(他社は別料金のことが多い)
- GMOグループの信頼性(銀行口座開設で有利という口コミがあった)
申し込みから審査完了まで翌日で終わった。特に追加書類の提出も求められず、スムーズだった。
ステップ2:定款を作成する
合同会社の定款には、以下の項目を記載する。
- 商号(会社名)
- 本店所在地(バーチャルオフィスの住所)
- 事業目的
- 社員の氏名・住所・出資額
- 業務執行社員・代表社員の定め
合同会社は定款の公証人認証が不要。自分で作成して、そのまま法務局に提出できる。定款テンプレートは法務局のサイトからダウンロードできるので、それをベースに作ればOKだ。
紙の定款は収入印紙4万円が必要だが、電子定款なら0円。freee会社設立やマネーフォワード会社設立などの無料ツールを使えば、電子定款の作成・提出まで自分で完結できる。
ステップ3:資本金を払い込む
定款作成後、代表社員の個人口座に資本金を振り込む。法人口座はまだ存在しないので、個人口座で問題ない。
資本金は1円から設定可能だが、現実的には10万円〜100万円にする人が多い。僕は事業の運転資金として必要な額を設定した。
振り込んだ後、通帳の表紙・見開き・振込記録のページをコピーして「払込証明書」を作成する。
ステップ4:法務局で登記申請する
以下の書類を揃えて法務局に提出する。
- 合同会社設立登記申請書
- 定款(電子定款の場合はCD-Rまたはオンライン)
- 代表社員の印鑑証明書
- 払込証明書
- 印鑑届出書
登記申請はオンラインでも可能だ。「登記・供託オンライン申請システム」を使えば法務局に行かずに手続きが完了する。
僕の場合、申請から約1週間で登記が完了した。法務局からの連絡は特になく、登記完了はオンラインで確認できる。
ステップ5:設立後の届出をする
登記が完了したら、以下の届出を進める。
- 税務署: 法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書
- 都道府県税事務所・市区町村: 法人設立届出書
- 年金事務所: 健康保険・厚生年金保険 新規適用届
これらは設立日から2週間〜2ヶ月以内に提出する必要がある。freee会社設立を使えば、必要な届出書類をまとめて作成してくれるので便利だ。
マイクロ法人の設立費用まとめ
合同会社でマイクロ法人を設立する場合の費用をまとめる。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 登録免許税 | 60,000円 |
| 定款の収入印紙代 | 0円(電子定款の場合) |
| バーチャルオフィス初月 | 0円〜1,650円 |
| 法人印鑑セット | 3,000円〜5,000円 |
| 合計 | 約63,000円〜 |
賃貸オフィスを借りる場合と比較すると、敷金・礼金・仲介手数料(合計30〜50万円)が丸ごと不要。バーチャルオフィスを使えば、10万円以下でマイクロ法人が作れる。
設立後にやるべきこと:銀行口座開設
法人設立後、最初の壁は法人銀行口座の開設だ。バーチャルオフィスの住所だと審査に落ちるのでは?という不安があるかもしれない。
結論から言うと、バーチャルオフィスの住所でも法人口座は開設できる。
僕はGMOあおぞらネット銀行に申し込み、約1週間で口座開設が完了した。一発で審査を通過している。同じGMOグループのバーチャルオフィスだからという点が有利に働いた可能性はある。
詳しくは「バーチャルオフィスで法人銀行口座を開設する方法」で解説している。
マイクロ法人の注意点
マイクロ法人には、知っておくべき注意点もある。
法人住民税の均等割は赤字でもかかる。 法人は赤字でも年間約7万円の法人住民税(均等割)を払う必要がある。個人事業主にはこの負担がないので、社会保険料の節約額と比較して検討しよう。
会計・税務の手間が増える。 法人は決算書の作成・法人税の申告が必要だ。個人事業主の確定申告より複雑なので、税理士に依頼する場合は年間10〜30万円の費用がかかる。freeeやマネーフォワードで自力でやれば節約できるが、簿記の知識は必要になる。
社会保険の加入義務。 マイクロ法人でも社会保険への加入は必須だ。役員報酬を設定しない(0円)場合は加入できないので、最低限の役員報酬を設定する必要がある。
まとめ
マイクロ法人は、合同会社+バーチャルオフィスで作れば約6万円台から設立できる。社会保険料の節約効果を考えれば、年間数十万円のメリットが得られる可能性がある。
僕はバーチャルオフィスの住所で合同会社を設立し、銀行口座もクレカも問題なく開設できた。「マイクロ法人を作りたいけど、コストが不安」という人は、まずバーチャルオフィスで住所を確保するところから始めてみてほしい。
関連記事:





