バーチャルオフィスの勘定科目は?仕訳方法を具体例つきで解説

バーチャルオフィスの勘定科目は?仕訳方法を具体例つきで解説
この記事のポイント
  • 月額料金・初期費用・オプションの勘定科目を一覧で解説
  • 具体的な仕訳例をケース別に紹介
  • GMO利用者が実際に使っている処理方法を共有

バーチャルオフィスを契約して、いざ経理処理しようとしたときに手が止まるのが「勘定科目」の問題だ。

「支払手数料」なのか「賃借料」なのか「地代家賃」なのか。

実際にオフィスを借りているわけではないから、通常の家賃とは明らかに違う。かといって「正解」が一つに決まっているわけでもないので、迷うのは当然だと思う。

結論から言うと、バーチャルオフィスの月額料金は「支払手数料」か「賃借料」で処理すればOKだ。 どちらを使っても税務上の問題はない。大事なのは、一度決めた科目を継続して使うことだ。

この記事では、バーチャルオフィスの費用項目ごとの勘定科目と、具体的な仕訳例を解説する。僕自身、GMOオフィスサポートの月額料金を毎月経費処理しているので、実際の処理方法もあわせて紹介していく。

運営者 運営者

IT系の事業を2名で運営している合同会社の代表。GMOオフィスサポートを約6ヶ月利用中で、毎月の経費処理も自分でやっている。

バーチャルオフィスの費用は全額経費になる

まず大前提として、バーチャルオフィスの費用は全額経費にできる

「実際にオフィスを借りているわけじゃないのに経費にしていいの?」と不安に思う人もいるかもしれないが、心配は不要だ。バーチャルオフィスは事業用の住所を利用するためのサービスであり、事業に必要な経費として全額計上できる。

これは個人事業主でも法人でも同じだ。法人登記に使っている場合はもちろん、開業届の事業所住所として使っている場合でも、事業目的で契約しているなら問題ない。

バーチャルオフィスの勘定科目一覧

バーチャルオフィスの費用は、項目によって使う勘定科目が異なる。まずは一覧表で全体像を把握しておこう。

費用項目勘定科目補足
月額基本料金支払手数料 or 賃借料どちらでもOK。一貫性が大事
入会金・登録料支払手数料契約時の一時費用として処理
保証金・デポジット差入保証金返金されるため資産計上
郵便転送料通信費 or 支払手数料月額に含まれるなら分ける必要なし
電話転送オプション通信費電話関連サービスとして
会議室利用料会議費利用した月だけ計上

見ての通り、月額料金以外の項目はそこまで迷うことがない。問題は月額料金を「支払手数料」にするか「賃借料」にするかだ。次のセクションで詳しく解説する。

バーチャルオフィスの月額料金の勘定科目と仕訳

「支払手数料」と「賃借料」、どちらが正しいのか

どちらでも正しい。 これが答えだ。

「支払手数料」を使う考え方は、バーチャルオフィスを「住所利用というサービスへの対価」と捉えるもの。実際に物理的なスペースを借りているわけではないので、サービス利用料として処理するのは自然だ。

一方、「賃借料」を使う考え方は、バーチャルオフィスを「住所を借りている」と捉えるもの。住所という無形のものを借りているわけだから、賃借料として処理するのも理屈としておかしくない。

税務署が「この科目じゃないとダメ」と指定しているわけではないので、自分がしっくりくる方を選べばいい

「地代家賃」は避けたほうが無難

ただし、「地代家賃」は避けたほうが無難だ。地代家賃は土地や建物の賃借に使う科目で、物理的なスペースを借りていないバーチャルオフィスとは性質が合わない。使っても即アウトではないが、税務調査のときに「これは何のスペースを借りているんですか?」と突っ込まれる可能性がある。

「地代家賃」で処理していると、税務調査時に実態との不一致を指摘されるリスクがある。迷ったら「支払手数料」か「賃借料」を選ぶのが安全だ。
勘定科目選びで一番大事なこと

一度決めた勘定科目は、翌月以降もずっと同じものを使い続けること。これは「継続性の原則」と呼ばれる会計の基本ルールだ。毎月コロコロ科目を変えると、帳簿の一貫性が失われ、税務調査で指摘される可能性がある。

月額料金の仕訳例

具体的な仕訳を見てみよう。GMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円・税込)を例にする。

税抜経理の場合

「支払手数料」で処理する場合:

借方金額貸方金額
支払手数料2,500円普通預金2,750円
仮払消費税250円

「賃借料」で処理する場合:

借方金額貸方金額
賃借料2,500円普通預金2,750円
仮払消費税250円

税込経理の場合

税込経理を採用している場合は、もっとシンプルだ。

借方金額貸方金額
支払手数料2,750円普通預金2,750円

クレジットカード払いの場合は、貸方が「普通預金」ではなく「未払金」になる。カードの引き落とし時に未払金を消す仕訳を切ればいい。

クレジットカード払いでは「利用日」と「引き落とし日」で2回仕訳が必要になる。利用日に未払金を計上し、引き落とし日に未払金を消す流れだ。

バーチャルオフィスの初期費用の勘定科目と仕訳

入会金・登録料の仕訳

バーチャルオフィスの契約時に発生する入会金・登録料は、**「支払手数料」**で処理するのが一般的だ。

例えば、入会金が5,500円(税込)のサービスの場合:

借方金額貸方金額
支払手数料5,000円普通預金5,500円
仮払消費税500円

入会金は契約時に1回だけ発生する費用なので、支払った月に全額を経費として計上できる。

ちなみに、GMOオフィスサポートは初期費用0円なので、この仕訳は不要だ。僕の場合、契約初月からいきなり月額料金の仕訳だけでスタートできた。初期費用がないだけで経理処理がシンプルになるのは、地味にありがたいポイントだった。

💡
初期費用0円のサービスを選ぶと、契約時の仕訳が不要になる。経理処理をシンプルにしたいなら、入会金・登録料が無料のバーチャルオフィスを選ぶのがおすすめだ。

保証金(デポジット)の仕訳

一部のバーチャルオフィスでは、契約時に保証金やデポジットが必要になることがある。

保証金は解約時に返金される前提の費用なので、経費ではなく**「差入保証金」**として資産計上する。

借方金額貸方金額
差入保証金30,000円普通預金30,000円

保証金は消費税の課税対象外なので、消費税の処理は不要だ。解約して保証金が返金されたときに、差入保証金を取り崩す仕訳を切る。

保証金と入会金を混同しないこと

入会金は経費(支払手数料)、保証金は資産(差入保証金)。性質が全く違うので、契約時の費用明細をよく確認して、どちらに該当するか間違えないようにしよう。不明な場合は、バーチャルオフィスの運営会社に「この費用は返金されますか?」と確認するのが確実だ。

バーチャルオフィスのオプション費用の勘定科目

郵便転送料の勘定科目

郵便転送料を別途支払う場合は、**「通信費」**が適切だ。郵便物の配送に関わる費用なので、通信費の性質に合う。

ただし、月額料金に郵便転送料が含まれているサービス(GMOオフィスサポートなど)の場合は、わざわざ分ける必要はない。月額料金をまるごと「支払手数料」(または賃借料)で処理すればいい。

実際、GMOオフィスサポートの週1転送プランは月額2,750円に転送料が含まれている。請求書上も一本の金額なので、経理処理はシンプルそのものだ。僕もこの月額をそのまま支払手数料として毎月計上しているだけで、転送料を別に切り出す作業はしていない。

電話転送オプションの勘定科目

電話転送サービスを利用している場合は、**「通信費」**で処理する。電話に関わるサービスなので、通信費が最も自然だ。

会議室利用料の勘定科目

バーチャルオフィスの付帯サービスとして会議室を利用した場合は、**「会議費」**で処理する。利用した月だけ計上すればいい。

【実例】僕がGMOオフィスサポートで実際にやっている経費処理

ここまで一般論を解説してきたが、実際にどう処理しているか具体例があったほうがわかりやすいと思うので、僕のケースを紹介する。

年払いでの処理内容

僕が利用しているのはGMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額換算2,750円・税込)で、年払いで契約している。

年払い時の仕訳はこうなる。まず支払い時に1年分をまとめて計上する。

借方金額貸方金額
支払手数料33,000円未払金33,000円

クレジットカード払いなので貸方は未払金。カードの引き落とし日に、以下の仕訳を切る。

借方金額貸方金額
未払金33,000円普通預金33,000円

年に1回の処理で済むので、毎月の仕訳が不要なのが年払いのいいところだ。厳密には期間按分して月ごとに費用計上する方法もあるが、年間33,000円程度の金額であれば支払い時に一括で経費処理しても実務上は問題ない。

GMOオフィスサポートは初期費用0円で、郵便転送料も月額に含まれている。入会金の仕訳も不要、転送料を別勘定で切り出す必要もない。年払いにしておけば仕訳は年1回だけで完結する。

「支払手数料」を選んだ理由

僕が「賃借料」ではなく「支払手数料」を選んだのは、バーチャルオフィスは物理的なスペースを借りているわけではないからだ。住所利用というサービスへの対価として考えると、支払手数料のほうがしっくりくる。

繰り返すが、これはあくまで僕の判断であって、賃借料を使っても問題ない。大事なのは継続して同じ科目を使い続けることだ。

料金プランで経理のラクさが変わる

バーチャルオフィスを選ぶときに「経理処理のしやすさ」はあまり注目されないが、実はけっこう大事だ。初期費用がかかるサービスだと入会金の仕訳が必要になるし、郵便転送料が別料金だと毎月の仕訳が増える。料金体系がシンプルなサービスほど、経理処理もラクになる。GMOオフィスサポートの料金プランについてはこちらの記事で詳しく解説している。

バーチャルオフィスの勘定科目に関するよくある疑問

個人事業主でも同じ勘定科目でいい?

同じだ。個人事業主でも法人でも、バーチャルオフィスの月額料金は「支払手数料」か「賃借料」で処理する。勘定科目の考え方に個人・法人の違いはない。

自宅兼事務所の場合、按分は必要?

バーチャルオフィスの費用は按分不要だ。

自宅の家賃を経費にする場合は「事業用割合」を計算して按分する必要があるが、バーチャルオフィスは100%事業用に契約しているものなので、全額を経費にできる。

むしろ、自宅住所を事業に使いたくないからバーチャルオフィスを契約しているわけで、按分が不要な分だけ経理処理がシンプルになる。

確定申告で何か特別な対応は必要?

特にない。バーチャルオフィスの費用は通常の経費と同じように計上するだけだ。確定申告書に「バーチャルオフィスの利用者です」と特別に記載する欄もない。

帳簿に勘定科目と金額を正しく記帳して、領収書(またはクレジットカードの明細)を保管しておけば問題ない。

年払いした場合の処理はどうなる?

バーチャルオフィスの料金を年払い(一括前払い)した場合は、期間按分して月ごとに経費計上するのが原則だ。

ただし、年間の支払額が少額(おおむね数万円程度)であれば、支払った時点で全額を経費にしても実務上は問題にならないケースが多い。厳密な処理が気になる場合は、税理士に相談しよう。

年払いの金額が大きい場合(おおむね10万円超)は、期間按分が求められる可能性がある。判断に迷うときは税理士に確認しておこう。

まとめ:バーチャルオフィスの勘定科目はシンプルに考えればいい

バーチャルオフィスの経費処理は、実はそれほど難しくない。

この記事のポイント
  • 月額料金は「支払手数料」か「賃借料」で処理。どちらでもOK
  • 一度決めた勘定科目は継続して同じものを使う(継続性の原則)
  • 初期費用(入会金)は「支払手数料」、保証金は「差入保証金」
  • バーチャルオフィスの費用は全額経費。按分は不要
  • 料金体系がシンプルなサービスほど経理処理もラク

迷いやすいポイントは「支払手数料と賃借料のどちらを使うか」だけで、あとは普通の経費処理と何ら変わらない。最初に科目を決めてしまえば、毎月同じ仕訳を切るだけだ。

僕はGMOオフィスサポートの月額2,750円を「支払手数料」で処理している。初期費用0円で転送料も月額に含まれているから、毎月1本の仕訳で完結する。経費処理のシンプルさという観点でも、料金体系がわかりやすいサービスを選ぶのはおすすめだ。

バーチャルオフィスの料金をもっと詳しく比較したい方は、バーチャルオフィス主要10社の料金比較も参考にしてほしい。バーチャルオフィスの選び方の記事では、料金以外の比較ポイントもまとめている。

よくある質問

Q.バーチャルオフィスの月額料金の勘定科目は?
A.

「支払手数料」または「賃借料」が一般的。どちらを使っても問題ないが、一度決めたら継続して同じ科目を使うのが原則。僕は「支払手数料」で処理している。

Q.バーチャルオフィスの初期費用の勘定科目は?
A.

入会金・登録料は「支払手数料」で処理するのが一般的。保証金(デポジット)がある場合は「差入保証金」として資産計上する。

Q.バーチャルオフィスの費用は経費にできる?
A.

できる。事業用に契約しているバーチャルオフィスの費用は全額経費として計上可能。個人事業主でも法人でも同じだ。

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