「Amazonで出品したいけど、セラーセントラルにバーチャルオフィスの住所を登録しても大丈夫なのか?」
副業や個人事業でAmazon販売を始めようとすると、この疑問にぶつかる人は多い。自宅住所をAmazonのストアページに公開するのは避けたいが、バーチャルオフィスの住所で問題なく出品できるのかがわからない。
結論から言うと、バーチャルオフィスの住所でAmazon出品は可能だ。ただし、セラーセントラルの登録時の住所と本人確認書類の関係、特商法表示のルール、FBA利用時の運用など、いくつか押さえておくべきポイントがある。
この記事では、バーチャルオフィスを使ってAmazonに出品する際の注意点と、Amazon出品に適したバーチャルオフィスサービスを解説する。
筆者はGMOオフィスサポートでIT系の事業を運営中。Amazon出品の経験はないが、バーチャルオフィスの住所で法人登記・銀行口座開設・クレジットカード発行まで行っており、VO住所の実務的な使い勝手は把握している。
Amazonセラーセントラルにバーチャルオフィスの住所は登録できるか
Amazonで商品を販売するには、セラーセントラル(出品者用の管理画面)にアカウントを作成する必要がある。このとき、事業所の住所を入力する欄がある。
ここにバーチャルオフィスの住所を入力すること自体は可能だ。Amazonの出品者登録の規約上、バーチャルオフィスの住所を明確に禁止する条項はない。
ただし、注意すべきポイントがある。
本人確認書類との整合性
Amazonのアカウント登録時には本人確認(KYC)が行われる。個人の場合は運転免許証やパスポート、法人の場合は登記簿謄本などの提出が求められる。
ここで重要なのが、提出する書類に記載された住所との整合性だ。たとえば法人の場合、登記簿謄本の本店所在地がバーチャルオフィスの住所になっていれば、セラーセントラルの住所と一致するので問題ない。
個人事業主の場合は、運転免許証の住所は自宅になっているケースがほとんどだ。セラーセントラルに登録する住所とは別に、本人確認用の住所として自宅住所の提出が必要になることがある。このあたりの運用は審査のタイミングによって変わることもあるため、法人登記対応のバーチャルオフィスで法人を作り、登記簿謄本ベースで登録するのが最もスムーズな方法だ。
ストアフロントの住所表示
Amazonマーケットプレイスに出品すると、購入者が見る「出品者情報」のページに事業者の住所が表示される。これはAmazonの仕様上、非表示にすることはできない。
バーチャルオフィスの住所であれば、自宅住所の代わりにこの住所が表示されることになる。まさにバーチャルオフィスの本来の用途であり、自宅住所を購入者に知られたくない人にとっては大きなメリットだ。
Amazon出品における特商法表示とバーチャルオフィス
Amazonで商品を販売する場合も、他のネットショップと同様に特定商取引法(特商法)に基づく表示義務がある。
セラーセントラルでは「特定商取引法に基づく表記」として、事業者名・住所・電話番号などを入力する項目がある。ここに入力した情報が購入者に公開される仕組みだ。
バーチャルオフィスの住所を特商法表示に使うことは法律上問題ない。消費者庁のガイドラインでは、消費者からの請求に応じて遅滞なく正確な住所を開示できる体制があれば、バーチャルオフィスの住所を特商法表記に使用することが認められている。
特商法の住所表示ルールについてさらに詳しく知りたい方は、特定商取引法の住所表示にバーチャルオフィスは使える?で解説している。
- セラーセントラルの出品者登録にバーチャルオフィスの住所は使える
- 本人確認書類の住所との整合性に注意。法人登記してあると手続きがスムーズ
- 特商法に基づく表記にもバーチャルオフィスの住所は利用可能
FBA利用時のバーチャルオフィスの注意点
Amazon出品で人気の販売形態が**FBA(Fulfillment by Amazon)**だ。FBAを使うと、商品の保管・梱包・発送・カスタマーサポート・返品対応までAmazonが代行してくれる。
FBAとバーチャルオフィスの組み合わせは、実は相性が良い。理由を整理しよう。
商品の送り先はAmazonの倉庫
FBAでは、出品者が商品をAmazonのフルフィルメントセンター(FC)に事前に送っておく。注文が入るとAmazonが倉庫から直接購入者に発送する仕組みだ。
つまり、バーチャルオフィスの住所に商品を送る必要がない。バーチャルオフィスは基本的に郵便物の受け取り・転送がメインのサービスなので、大量の在庫を受け取ることはできない。FBAならこの問題がそもそも発生しない。
返品もAmazonが対応
FBAを利用した場合、購入者からの返品はAmazonのフルフィルメントセンターに届く。出品者のバーチャルオフィスや自宅に返品商品が届くことはない。
自己発送の場合は返品先住所を設定する必要があり、バーチャルオフィスを返品先にすると郵便転送のタイムラグが生じるが、FBAならそもそもこの問題を考えなくていい。
自己発送の場合は注意が必要
一方、FBAを使わずに自己発送で販売する場合は、いくつか考慮が必要だ。
商品の発送元住所として自宅を使うことになるため、バーチャルオフィスで特商法表示の住所は守れても、配送伝票から自宅住所がわかる可能性がある。また、返品先をバーチャルオフィスにする場合は、転送の頻度やタイムラグを考慮して対応スピードが遅れないよう注意したい。
バーチャルオフィスでAmazon出品するなら、FBAの利用がおすすめだ。商品の保管・発送・返品対応をAmazonに任せられるため、バーチャルオフィスの弱点(荷物の受取制限・転送のタイムラグ)が問題にならない。自己発送は住所の露出リスクや返品対応の手間があるため、バーチャルオフィスとの相性はFBAほど良くない。
Amazon出品に適したバーチャルオフィスの条件
Amazon出品を前提にバーチャルオフィスを選ぶなら、以下の条件を確認しておきたい。
法人登記に対応しているか
法人登記に対応しているか。 先述のとおり、セラーセントラルの登録は法人のほうがスムーズだ。将来的に事業を拡大する可能性も考えると、法人登記に対応したバーチャルオフィスを選んでおくのが無難だろう。
住所の公開が認められているか
住所の公開が認められているか。 Amazonの出品者情報ページに住所が公開されるため、利用規約でネットショップや特商法表示への住所利用を認めているサービスを選ぶ必要がある。大手のバーチャルオフィスなら基本的に問題ないが、念のため契約前に確認しておこう。
郵便転送があるか
郵便転送があるか。 Amazon関連で届く書類(税務書類、Amazon本体からの郵便物など)を確実に受け取れるよう、郵便転送サービスは必須だ。転送頻度は週1回以上が望ましい。
Amazon出品に使えるバーチャルオフィス3社
ここからは、Amazon出品者が検討すべきバーチャルオフィスを3社紹介する。それぞれ特徴が異なるので、自分の状況に合ったサービスを選んでほしい。
NAWABARI:ネットショップ出品者に特化
NAWABARIは、EC・ネットショップ運営者に特化したバーチャルオフィスだ。BASEやSTORESとの連携実績があり、特商法表記への対応をサービスの中心に据えている。
月額1,100円(税込)〜と手頃な価格で、ネットショップの住所対策だけが目的なら最もフィットするサービスだろう。Amazonの出品者情報や特商法表示にも問題なく使える住所を提供している。
プライバシーマークを取得しているのも、個人情報の取り扱いに敏感なEC運営者にとっては安心材料だ。
NAWABARIが向いている人: 個人でAmazon販売を始めたい人、特商法表示の住所対策がメインの目的の人。法人登記までは考えていないならコスパが良い。
NAWABARIの詳しい情報はNAWABARIの評判・口コミでも解説している。
GMOオフィスサポート:法人登記・銀行口座開設まで対応
Amazon出品を法人として行うなら、GMOオフィスサポートが有力だ。GMOインターネットグループ(東証プライム上場)が運営しており、法人登記に対応。月額660円〜の転送なしプランから、週1転送の月額2,750円プランまで選べる。
筆者はGMOオフィスサポートの住所で合同会社を登記し、GMOあおぞらネット銀行での法人口座開設、クレジットカード(三井住友カード ビジネスオーナーズ)の発行まですべて完了している。初期費用0円で郵便転送料が月額に含まれている点も、コスト管理がしやすくて助かっている。
Amazon出品を法人名義で行い、売上の入金先として法人口座を使いたいなら、法人登記から口座開設までワンストップで対応できるGMOオフィスサポートは堅実な選択肢だ。
GMOオフィスサポートが向いている人: 法人としてAmazon出品を行いたい人、法人口座やクレカも含めて事業基盤を整えたい人。Amazon以外のビジネスにも住所を使う予定がある人。
レゾナンス:コストを抑えたいなら
Amazon出品の住所対策にかける費用をできるだけ抑えたいなら、レゾナンスも検討に値する。
月額990円(税込)〜で法人登記にも対応しており、格安バーチャルオフィスの中ではサービス内容のバランスが良い。東京都内の一等地住所(港区浜松町・中央区銀座など)が使えるため、Amazonの出品者情報ページに表示される住所としても見栄えが良い。
郵便転送は月1回からのプランがあるが、Amazon関連の書類対応を考えると週1転送のプランを選んでおくほうが安心だ。
レゾナンスが向いている人: とにかくコストを抑えてAmazon出品を始めたい人、法人登記対応のバーチャルオフィスを格安で使いたい人。
レゾナンスの詳細はレゾナンスの評判・口コミでも紹介している。
- NAWABARI:個人でAmazon販売、特商法対策がメイン → 月額1,100円〜
- GMOオフィスサポート:法人登記+口座開設+Amazon出品をまとめて対応 → 月額660円〜
- レゾナンス:コスト最優先で法人登記もしたい → 月額990円〜
どのサービスもAmazonの特商法表示に使える住所を提供している。あとは法人化の予定やコスト感で選べばいい。
バーチャルオフィスでAmazon出品する際の実務的な注意点
最後に、実際にバーチャルオフィスの住所でAmazon出品を始める際に知っておくべき実務的な注意点を整理しておく。
Amazonからの郵便物を確実に受け取る
Amazonから出品者宛に郵便物が届くことがある。税務関連の書類やアカウント確認のハガキなどだ。特にアカウント登録直後は、住所確認のために郵便物が届くケースがある。
バーチャルオフィスの郵便転送頻度が低いと、この対応が遅れてアカウントのアクティベーションに時間がかかる可能性がある。最低でも週1回の転送頻度があるプランを選んでおくのが無難だ。
住所変更が発生したときの対応
バーチャルオフィスを乗り換える場合や、サービスが終了した場合、セラーセントラルの登録住所を変更する必要がある。住所変更自体はセラーセントラルの管理画面から可能だが、変更後に再度本人確認が必要になるケースもある。
長期的に安定して使えるサービスを最初から選んでおくことで、この手間を避けられる。運営元が大手であったり、サービス歴が長いバーチャルオフィスを選ぶのは、こうしたリスク回避の意味もある。
確定申告・税務上の住所
Amazon出品の売上は当然、確定申告の対象になる。個人事業主の場合、税務署への届出住所(開業届の住所)と、バーチャルオフィスの住所、自宅住所の使い分けが必要になる。
基本的には、開業届の「納税地」は自宅住所、事業所の住所としてバーチャルオフィスの住所を記載するという形が一般的だ。法人の場合は登記住所がバーチャルオフィスになるので、税務上の住所もそちらに統一できる。
開業届とバーチャルオフィスの関係については、バーチャルオフィスで開業届は出せる?で詳しく解説している。
まとめ
バーチャルオフィスの住所でAmazon出品を行うことは可能だ。特にFBAを利用する場合は、商品の保管・発送・返品をAmazonが代行してくれるため、バーチャルオフィスとの相性は非常に良い。
- セラーセントラルの出品者登録にバーチャルオフィスの住所は使える
- 本人確認書類との整合性に注意。法人登記していると手続きがスムーズ
- 特商法表示にもバーチャルオフィスの住所は法律上問題なし
- FBA利用なら商品保管・発送・返品をAmazonに任せられ、バーチャルオフィスとの相性が良い
- EC特化ならNAWABARI、法人登記+口座開設ならGMOオフィスサポート、コスト重視ならレゾナンス
自宅住所をAmazonの出品者ページに公開することに抵抗がある方は、月額1,000円前後のバーチャルオフィスで解決できる。Amazon出品を始める前に、バーチャルオフィスの契約を済ませておこう。
ネットショップ全般でのバーチャルオフィス活用についてはネットショップ運営にバーチャルオフィスは必須?、サービスの比較から始めたい方はバーチャルオフィスおすすめ10社比較も参考にしてほしい。


