「バーチャルオフィスの住所って、名刺に載せていいの?」
名刺を作ろうとして、ふとこの疑問にぶつかる方は多い。住所欄に何を書けばいいのか、バーチャルオフィスだと書かなきゃいけないのか、相手にバレたらまずいのか。
結論から言うと、バーチャルオフィスの住所を名刺に記載することは全く問題ない。 法的にもサービスの利用規約的にもOKだ。むしろ、自宅住所を名刺に載せるほうがプライバシーや信頼性の面でリスクが大きい。
ただし、住所の書き方やバレたときの対処など、事前に知っておくべきポイントはある。この記事では、名刺への住所の書き方を具体例つきで解説しつつ、よくある不安にも答えていく。
筆者はGMOオフィスサポートを利用中。名刺にもWebサイトにもバーチャルオフィスの住所を記載して事業を運営している。
バーチャルオフィスの住所を名刺に載せてよい理由
まず、なぜ名刺に載せてOKなのかを明確にしておく。
法的にも契約的にも問題なし
バーチャルオフィスは「住所を借りるサービス」だ。そして借りた住所は、名刺・Webサイト・請求書・法人登記など事業活動に自由に使えることが前提になっている。
バーチャルオフィスの住所を名刺に載せることを禁じる法律は存在しない。名刺は法律上の書類ではなく、記載内容に法的な制限はないからだ。
サービス側も名刺利用を想定している
ほとんどのバーチャルオフィスは、公式サイトで「名刺やWebサイトに住所を記載できます」と案内している。むしろ、名刺に住所を載せること自体がバーチャルオフィスの主要な用途だ。
GMOオフィスサポートも、契約後に届く案内で住所の使い方として名刺への記載を挙げている。利用規約で禁止されていない限り(まず禁止されていることはない)、堂々と使って問題ない。
「バーチャルオフィス」と名刺に書く必要はない
これも念のため補足しておくと、名刺に「バーチャルオフィス」と記載する義務はない。住所の欄に普通の住所として書けばいい。実際のオフィスがある住所なのかバーチャルオフィスなのか、名刺を受け取った側は区別がつかないし、区別する必要もない。
名刺への住所の書き方
では、具体的にどう書けばいいのか。パターン別に紹介する。
基本の書き方
バーチャルオフィスで提供される住所をそのまま記載するのが基本だ。
〒150-XXXX
東京都渋谷区〇〇 X-XX-X △△ビル X階
ビル名と階数まで記載するのが一般的だ。バーチャルオフィスから案内される住所をそのまま使えばいい。省略しすぎると逆に不自然になるので、案内された住所を丸ごと載せるのが無難だ。
部屋番号がある場合
サービスやプランによっては、部屋番号まで付与される場合がある。
〒150-XXXX
東京都渋谷区〇〇 X-XX-X △△ビル X階 XXX号室
部屋番号があると「専用のオフィスがある」という印象になるため、信頼感が増す。部屋番号つきのプランを提供しているサービスであれば、活用するのも一つの手だ。
英語の名刺の場合
海外とのやりとりがある方は、英語名刺を作ることもあると思う。書き方は日本語と同じで、提供された住所を英語表記にすればいい。
X-XX-X △△ Bldg. Xf, 〇〇, Shibuya-ku, Tokyo 150-XXXX
英語表記の住所はバーチャルオフィス側で案内してくれることが多い。自分で翻訳するより、公式に案内された英語表記を使うほうが間違いがない。
電話番号はどうする?
名刺には電話番号を載せるのが一般的だが、バーチャルオフィスの利用者は自宅の固定電話を持っていないケースが多いと思う。選択肢は主に3つだ。
携帯電話番号をそのまま載せる
携帯電話番号をそのまま載せるのが最もシンプル。個人事業主や少人数の会社であれば、携帯番号で問題ない。
IP電話番号(050番号)を取得する
IP電話番号(050番号)を取得する方法もある。月額数百円で取得でき、プライベートの番号と分けられるのがメリットだ。
電話転送サービスを使う
バーチャルオフィスの電話転送サービスを使うという手もある。03や06といった市外局番の番号を取得できるので、名刺に「03-XXXX-XXXX」と載せられる。ビジネスの信頼感としては一番高い。ただし月額費用が追加でかかる点は注意してほしい。
僕の場合は電話対応がほぼ不要な業種なので、名刺にはメールアドレスとWebサイトのURLだけ載せている。電話番号の記載は必須ではない。
バーチャルオフィスだとバレる?バレたら問題?
名刺にバーチャルオフィスの住所を載せるとき、一番気になるのは「相手にバレないか」だと思う。
バレる可能性はゼロではない
正直に言うと、バレる可能性はある。名刺の住所をGoogleで検索すれば、同じビルにバーチャルオフィスの拠点があることがわかる場合がある。特に有名なバーチャルオフィスの住所は、検索結果にサービス名が出てくることもある。
ただ、名刺をもらった相手がわざわざ住所を検索するかというと、現実的にはほとんどない。取引先が住所を調べるとしたら、訪問のためにアクセスを確認する程度だ。
バレたとして実害はない
仮にバーチャルオフィスだと気づかれたとしても、困ることはほぼない。
バーチャルオフィスの利用は完全に合法であり、やましいことは何もない。リモートワークが普及した今、固定オフィスを持たない会社は珍しくないし、バーチャルオフィスの社会的な認知度も上がっている。
僕自身、バーチャルオフィスの住所を名刺に載せて半年以上使っているが、取引先から「ここバーチャルオフィスですよね?」と言われたことは一度もない。
バーチャルオフィスの「バレ」について詳しくは、バーチャルオフィスの住所はバレる?取引先や銀行への影響で解説している。
バレにくい住所の選び方
それでも気になる方は、住所選びの段階で工夫できる。
一等地のオフィスビルの住所を選ぶと、ビル自体に複数のテナントが入居しているため、バーチャルオフィスだと推測されにくい。逆に小規模なビルだと、「このビルにオフィスがあるの?」と疑問を持たれる可能性がある。
大手バーチャルオフィスの拠点は、元々複数の企業が入居しているオフィスビルに設けられていることが多い。サービス選びの際に、住所のビル名をGoogleで検索してみて、バーチャルオフィスの情報ばかり出てこないか確認しておくといい。
名刺に自宅住所を載せるリスク
「バーチャルオフィスを契約するほどでもないし、自宅住所でいいかな」と考える方もいると思う。でも、名刺に自宅住所を載せるリスクは想像以上に大きい。
プライバシーの問題
名刺は取引先やイベント参加者に配るものだ。つまり、名刺を渡した相手全員に自宅の場所を教えることになる。
フリーランスで不特定多数に名刺を配るケースでは、面識の浅い相手にも自宅住所が伝わってしまう。万が一トラブルが発生した場合、ストーカーやクレーマーが自宅に来るリスクもゼロではない。特に女性の方や、自宅に家族がいる方は慎重に考えるべきだ。
賃貸の場合は契約違反の可能性
自宅が賃貸の場合、賃貸借契約で「事業利用禁止」となっていることがある。名刺に住所を載せて事業用として使っていることが判明すると、契約違反を指摘される可能性がある。実際に問題になるケースは稀だが、リスクとして知っておいたほうがいい。
信頼性の問題
名刺の住所に「〇〇マンション 301号室」と書いてあったら、受け取った相手はどう思うだろうか。事業の規模や信頼性に疑問を持たれる可能性がある。
一方、バーチャルオフィスの住所であれば「東京都渋谷区〇〇 △△ビル X階」のようなオフィスビルの住所になる。名刺を受け取った相手に与える印象は、明らかに後者のほうがいい。
自宅住所を公開するリスクについてさらに詳しくは、自宅住所を公開したくない!バーチャルオフィスで解決する方法で解説している。
名刺以外にも住所を使うケース
名刺に住所を載せるなら、当然ほかの場面でも同じ住所を使うことになる。バーチャルオフィスの住所が使える場面を整理しておこう。
Webサイトの特定商取引法表記
ネットで商品やサービスを販売する場合、特定商取引法に基づいて事業者の住所を公開する必要がある。ここにもバーチャルオフィスの住所が使える。
名刺とWebサイトで住所が一致していることは、事業の一貫性を示すうえでも大事だ。詳しくは特定商取引法の住所表示にバーチャルオフィスは使える?を参考にしてほしい。
請求書・見積書
請求書や見積書の差出人住所にも、バーチャルオフィスの住所を記載できる。むしろ、名刺と請求書で住所が違うと相手を混乱させるので、統一しておくべきだ。
契約書の署名
業務委託契約書などに署名する際、住所を記載する欄がある。ここにもバーチャルオフィスの住所を使って問題ない。
法人登記
法人を設立する場合、本店所在地を登記簿に記載する必要がある。バーチャルオフィスの住所で法人登記すれば、名刺・Webサイト・登記簿すべてで住所が統一される。
ただし、法人登記に対応していないプランやサービスもあるので、将来的に法人化を考えている方は、最初から登記対応のサービスを選んでおくのが賢い。住所変更の登記には登録免許税(3万円)がかかるので、途中でサービスを変えるのはコスト面で不利だ。
法人登記について詳しくは、バーチャルオフィスで法人登記する方法と注意点で解説している。
筆者の実例(GMOオフィスサポート)
ここまで一般的な話をしてきたが、最後に僕自身の使い方を共有する。
名刺にバーチャルオフィスの住所を記載
僕はGMOオフィスサポートの東京都内の住所を名刺に載せている。ビル名と階数まで記載しており、見た目は普通のオフィス住所と変わらない。
2名で合同会社を運営しているが、名刺を渡した取引先から住所について何か言われたことは一度もない。「バーチャルオフィスですか?」と聞かれたことすらない。
Webサイトにも同じ住所を掲載
事業のWebサイトにも、名刺と同じバーチャルオフィスの住所を記載している。特定商取引法の表記もこの住所だ。名刺、Webサイト、登記簿、すべて同じ住所で統一しているので管理がシンプルだ。
コスト面の話
利用しているのは週1転送プラン(月額2,750円/税込)。年間でも約3万円だ。
この金額で東京都内のオフィスビルの住所を名刺に載せられるなら、正直かなりコスパがいいと思っている。初期費用も0円だったので、名刺を作るタイミングに合わせて気軽に契約できた。
GMOオフィスサポートは月額660円の住所利用のみのプランもある。名刺に住所を載せるだけなら、このプランでも十分だ。
まとめ
バーチャルオフィスの住所を名刺に載せることは、法的にもサービスの利用規約的にも全く問題ない。「バーチャルオフィス」と明記する必要もなく、普通のオフィス住所として堂々と記載していい。
- バーチャルオフィスの住所は名刺に載せてOK。法的にも契約的にも問題なし
- 書き方はビル名+階数まで記載するのが基本。案内された住所をそのまま使う
- バレる可能性はあるが実害はほぼゼロ。取引先も気にしないケースがほとんど
- 自宅住所を名刺に載せるほうがプライバシーや信頼性のリスクが大きい
名刺は事業の第一印象を左右するツールだ。自宅のマンション名が入った住所よりも、オフィスビルの住所が入った名刺のほうが、相手に与える印象は確実にいい。月額数百円から始められるので、名刺を作るタイミングでバーチャルオフィスの契約を検討してみてほしい。
バーチャルオフィスの使い方全般については、バーチャルオフィスの使い方ガイド|契約後にやることと活用パターンを解説でまとめている。どのサービスを選ぶか迷っている方は、バーチャルオフィスおすすめ8選|料金・機能を徹底比較も参考にしてほしい。


