バーチャルオフィスの使い方は大きく5つ。 住所利用、法人登記、郵便転送、名刺・HP掲載、特商法表記だ。
「契約してみたけど、具体的に何をどう使えばいいの?」と迷う方は意外と多い。実際、僕もGMOオフィスサポートを契約した直後は「住所をもらったけど、次に何をすればいいんだろう」と少し戸惑った記憶がある。
この記事では、バーチャルオフィスの基本的な使い方から、目的別の活用パターン、そして契約から利用開始までの具体的な流れを、自分の体験を交えてまとめた。
GMOオフィスサポートを東京都内で約半年利用中。2名でIT系の事業を運営していて、法人登記・銀行口座開設・クレカ取得まで一通り済ませた。
バーチャルオフィスの基本的な使い方5つ
バーチャルオフィスでできることは、主に以下の5つに集約される。契約後に「何に使えるのか」を把握しておくと、無駄なく活用できる。
1. ビジネス用の住所として利用する
これがバーチャルオフィスの最も基本的な使い方だ。契約すると、東京都内などの一等地の住所が事業用の住所として使える。
自宅で仕事をしていても、対外的にはバーチャルオフィスの住所を事業所として表示できる。自宅住所をネット上や取引先に公開する必要がなくなるので、プライバシーの保護とビジネスの信頼性向上が同時に実現する。
僕の場合、東京都内の住所を取得して名刺や請求書に記載している。「渋谷区」「港区」など都心の住所があるだけで、取引先からの印象はだいぶ変わる。
2. 法人登記の住所にする
バーチャルオフィスの住所は法人登記にも使える。合同会社や株式会社を設立する際、登記簿に記載する本店所在地としてバーチャルオフィスの住所を使うことが可能だ。
自宅の住所で法人登記すると、登記簿謄本は誰でも取得可能なため自宅が公開されてしまう。バーチャルオフィスを使えば、この問題を回避できる。
法人の登記簿謄本(登記事項証明書)は法務局で誰でも取得できる公開情報だ。自宅住所で登記すると、第三者に自宅を特定されるリスクがある。
僕自身、GMOオフィスサポートの住所で合同会社を設立した。法人登記をしたことで銀行口座やクレジットカードの開設もスムーズに進んだ。
法人登記の手順についてはバーチャルオフィスで法人登記する方法で詳しくまとめている。
3. 郵便物の転送を受ける
バーチャルオフィス宛に届いた郵便物は、契約プランに応じて自宅に転送してもらえる。転送頻度は「週1回」「月1回」「隔週」などサービスやプランによって異なる。
僕はGMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円)を利用中だ。普通の書類やDMであれば週1の転送で十分間に合っている。
ただし正直なところ、郵便物の写真通知が別料金(月額+1,100円) なのは地味に不便だ。何が届いたかわからないまま転送を待つことになるので、急ぎの書類がある場合はやきもきする。レゾナンスなど、写真通知が無料のサービスもあるので、郵便物が多い方は比較しておくのがおすすめだ。
郵便物の写真通知はサービスによって対応が異なる。GMOオフィスサポートは月額1,100円の有料オプションだが、レゾナンスでは無料で利用可能。契約前に確認しておこう。
郵便転送の仕組みについてはバーチャルオフィスの郵便転送の記事で掘り下げている。
4. 名刺・Webサイトに住所を掲載する
バーチャルオフィスの住所は、名刺、Webサイト、パンフレット、請求書など、あらゆるビジネスツールに記載できる。
特にフリーランスや個人事業主にとって、名刺に自宅住所を刷るのは抵抗があるという方は多い。バーチャルオフィスの住所であれば、都心の住所を堂々と記載でき、しかも自宅を知られる心配がない。
Webサイトの会社概要ページやフッターの住所表記にも、そのまま使える。法人として登記済みの住所であれば、登記簿との整合性も取れるので信頼感がさらに増す。
5. 特定商取引法の表記に使う
ネットショップやECサイトを運営する場合、特定商取引法(特商法)に基づく住所表記が義務づけられている。ここにバーチャルオフィスの住所を使うことが可能だ。
自宅でハンドメイド品を販売したり、BASEやShopifyでショップを開いたりする場合、自宅住所をサイト上に公開しなければならないのは大きなハードルだ。バーチャルオフィスの住所を使えば、この問題を解決できる。
特商法表記でのバーチャルオフィス利用については特定商取引法の住所にバーチャルオフィスは使える?で詳しく解説している。
目的別の活用パターン
バーチャルオフィスの使い方は、利用する人の目的によって大きく変わる。ここでは代表的な4つの活用パターンを紹介する。
フリーランス・個人事業主の場合
フリーランスがバーチャルオフィスを使う主な理由は、自宅住所の非公開とビジネスの信頼性向上の2つだ。
具体的な使い方としては、開業届の事業所としてVO住所を記載し、名刺やポートフォリオサイトに事業住所として掲載するパターンが多い。クライアントへの請求書にもVO住所を使えるので、自宅住所を取引先に伝える必要がなくなる。
月額660円〜という手頃な価格帯もあり、フリーランスとの相性は非常に良い。詳しくはフリーランスにバーチャルオフィスは必要?の記事にまとめている。
法人設立(合同会社・株式会社)の場合
法人を設立する際にバーチャルオフィスを使うケースは多い。特に登記用の住所確保と初期コストの削減が大きな目的だ。
賃貸オフィスを借りると月額数万円〜数十万円かかるが、バーチャルオフィスなら月額数千円で法人登記できる住所が手に入る。自宅で仕事をしていても、対外的には都心のオフィスを構えている形にできるのが強みだ。
僕の場合、GMOオフィスサポートで法人登記し、その住所でGMOあおぞらネット銀行の法人口座を約1週間で開設できた。三井住友カードビジネスオーナーズも問題なく取得している。
ネットショップ運営の場合
ネットショップの運営者にとって、バーチャルオフィスの主な用途は特商法の住所表記と返品先住所の確保だ。
BASEやShopify、メルカリShopsなどのプラットフォームで出品する際、特商法に基づいて事業者の住所を公開する義務がある。自宅住所を全国に公開することに抵抗がある方(特に女性の一人暮らしなど)にとって、バーチャルオフィスは有効な解決策になる。
EC運営に特化したバーチャルオフィスとしてはNAWABARIが知られている。詳しくはネットショップ運営にバーチャルオフィスは必要?を参考にしてほしい。
副業の場合
会社員が副業で開業届を出したり、ネットショップを始めたりする場合にもバーチャルオフィスは活用できる。
副業の場合、一番気になるのは「会社にバレないか」という点だろう。バーチャルオフィスの利用自体が会社にバレることはまずない。副業がバレるのは主に住民税の金額変動が原因なので、確定申告で「住民税を自分で納付(普通徴収)」を選べばリスクは大幅に下がる。
確定申告書の「住民税に関する事項」で「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れると、副業分の住民税が会社に通知されなくなる。副業バレを防ぐ基本対策として覚えておこう。
月額660円〜の低コストで始められるので、副業の売上がまだ少ない段階でも負担は小さい。副業向けの選び方は副業にバーチャルオフィスは必要?でまとめている。
契約から利用開始までの流れ(実体験ベース)
「バーチャルオフィスを使ってみたいけど、手続きがよくわからない」という方のために、僕がGMOオフィスサポートを契約した際の実際の流れを紹介する。
正直なところ、手続きは拍子抜けするほど簡単だった。申し込みから翌日には住所が使える状態になるので、「思い立ったらすぐ始められる」という感覚だ。
初期費用が0円なのも大きい。DMMバーチャルオフィスなど初期費用がかかるサービスもある中で、GMOオフィスサポートは初期費用なしで始められるので、試しやすかった。
バーチャルオフィスを使いこなすコツ(筆者の体験談)
約半年使ってみて、「こうしておけばよかった」「これは意外と便利だった」と感じたポイントをまとめておく。
住所取得後、早めに銀行口座を開設する
法人登記が済んだら、なるべく早く事業用の銀行口座を開設しておくことをおすすめする。
バーチャルオフィスの住所で銀行口座を開設できるか不安に思う方もいるが、僕の場合はGMOあおぞらネット銀行で約1週間で開設できた。同じGMOグループという安心感もあるのか、審査はスムーズだった。
法人クレジットカード(三井住友カードビジネスオーナーズ)も問題なく取得できている。銀行口座の開設体験はバーチャルオフィスで銀行口座は開設できる?にまとめた。
郵便転送の頻度は「週1」で十分
郵便転送の頻度をどうするか悩む方もいるが、ほとんどの場合「週1」で事足りる。
僕も最初は「週1で大丈夫かな」と不安だったが、急ぎの書類が届くケースはほぼなかった。届くのは税務関係の書類やDMが中心で、数日遅れても実務に支障が出ることはない。
逆に「月1転送」だと、銀行やカード会社からの書類が届くまで1ヶ月近く待つ可能性があるので、法人を設立したばかりの時期はおすすめしない。
法人設立直後は銀行口座開設やクレジットカード申込に伴う書類が多い。月1転送だと対応が遅れるリスクがあるため、最低でも週1転送を選んでおくのが安全だ。
写真通知の必要性を事前に考える
GMOオフィスサポートの場合、届いた郵便物の写真をアプリで確認するには月額1,100円の追加オプションが必要だ。
僕はこのオプションを付けていないが、正直なところ「何が届いたかわからない」のは不便に感じることがある。重要な書類が届いていても、転送されるまで内容を確認できないからだ。
写真通知が無料のサービスもある(レゾナンスなど)ので、郵便物の内容を早く把握したい方は、サービス選びの段階で写真通知の有無を確認しておくといい。
電話サービスは不要なら付けない
バーチャルオフィスの中には電話転送や電話秘書サービスを提供しているところもあるが、必要なければ付けないほうがコスパは良い。
僕の場合、IT系の事業をしており電話対応の必要がほぼないため、電話サービスは契約していない。事業の内容によっては電話対応が必要なケースもあるが、最初は住所だけのプランで始めて、必要になったらオプションを追加する形で問題ない。
まとめ
バーチャルオフィスの使い方は、突き詰めると**「住所を使う」「郵便物を受け取る」**の2つに集約される。ここから派生して、法人登記、名刺やHPへの掲載、特商法表記といった具体的な活用が広がっていく。
基本的な使い方を改めて整理すると、こうなる。
- ビジネス用の住所として利用 → 自宅住所を非公開にできる
- 法人登記の住所にする → 登記簿に自宅が載らない
- 郵便物の転送を受ける → VOに届いた書類が自宅に届く
- 名刺・Webサイトに住所を掲載 → 都心の住所で信頼感アップ
- 特商法の住所表記に使う → ネットショップの住所公開問題を解決
契約の手続き自体は簡単で、申し込みから翌日には利用開始できるケースも多い。僕がGMOオフィスサポートを契約した際は、翌日に審査完了、その後すぐに法人登記や銀行口座の開設に動けた。年間コスト約3万円で住所・郵便転送・法人登記がすべてカバーできているので、十分に元は取れている実感がある。
バーチャルオフィスの選び方がまだ決まっていない方はバーチャルオフィスおすすめ比較を、法人登記を検討している方は法人登記におすすめのバーチャルオフィスもあわせて読んでみてほしい。


