バーチャルオフィスで住所は借りられるとわかっていても、「電話番号はどうなるのか」が気になる人は多い。結論から言うと、バーチャルオフィス経由で固定電話番号(03番号など)を取得する方法はある。ただし、すべてのサービスが対応しているわけではなく、方法もひとつではない。
自分は2名でIT系の事業を運営していて、GMOオフィスサポートを約半年使っている。GMOには電話番号サービスが一切ないが、正直なところ事業上まったく困っていない。とはいえ、業種によっては固定電話番号が必須になることもある。
この記事では、バーチャルオフィスで電話番号を取得する方法、各サービスの対応状況、そして電話番号が本当に必要かどうかの判断基準をまとめた。
筆者はGMOオフィスサポートを使っているが、電話サービスはない。電話番号が必要な方はレゾナンスやワンストップビジネスセンターを検討してほしい。
バーチャルオフィスで電話番号を取得する3つの方法
バーチャルオフィスで電話番号を使うには、大きく分けて3つの方法がある。それぞれ仕組みも料金も異なるので、自分の事業に合ったものを選ぶことが大切だ。
方法1:電話転送サービスを使う
バーチャルオフィスが提供する固定電話番号(03番号など)に着信した電話を、自分のスマホや携帯に転送する方法。仕組みはシンプルで、取引先が03番号に電話をかけると、そのまま自分の携帯が鳴るイメージだ。
メリット:自分で直接対応できる
電話転送のメリットは、自分で直接電話に出られること。取引先との微妙なニュアンスも伝わるし、その場で回答できる。料金も月額3,000〜5,000円程度で、3つの方法の中では中間くらいの価格帯になる。
デメリット:不在時の対応ができない
一方で、打ち合わせ中や移動中は当然電話に出られない。ひとりで事業を回している場合、電話に出られないタイミングはどうしても発生する。
ひとりで事業を運営している場合、電話転送だけでは不在時の着信を逃してしまう。電話対応の頻度が高い業種なら、電話代行(方法2)との併用も検討しよう。
方法2:電話代行(電話秘書)を利用する
プロのオペレーターが自分の代わりに電話を受けてくれるサービスだ。「只今外出しております。折り返しご連絡いたします」といった一次対応をして、着信内容をメールやチャットで報告してくれる。
メリット:電話の取りこぼしがない
電話代行の最大の強みは、自分が対応できないときでも電話の取りこぼしがない点だ。特に士業やコンサルタントなど、電話対応が事業の信頼に直結する業種では重宝する。
料金:月額5,000〜10,000円が目安
ただし、料金は月額5,000〜10,000円前後と電話転送より高い。月額コストとして見ると安くはないが、専門の電話代行会社を別途契約すると月額1万円以上するケースが多いので、バーチャルオフィスのオプションとして利用するほうがトータルでは抑えられる。
方法3:IP電話アプリで自分で番号を取得する
バーチャルオフィスの電話サービスを使わず、050番号のIP電話アプリを自分で契約するという方法もある。代表的なサービスとしてはSMARTalk、My 050、楽天モバイルの050番号などがある。
メリット:低コストで番号が持てる
この方法のメリットは、バーチャルオフィスの契約とは独立して電話番号を持てること。バーチャルオフィスを乗り換えても番号が変わらないし、月額料金も無料〜数百円程度と格安だ。
デメリット:03番号より信頼性が劣る
ただし、050番号は「固定電話番号」ではないため、03番号と比べると信頼性の面でやや劣る。取引先によっては「050番号=個人」という印象を持つこともある。コスト重視で「とりあえず連絡先として電話番号が欲しい」という場合には十分な選択肢だ。
- 03番号で自分が直接対応したい → 電話転送サービス
- 電話に出られない時間が多い → 電話代行(電話秘書)
- 最低限の連絡先があればいい → IP電話アプリ(050番号)
電話番号サービスがあるバーチャルオフィス比較
電話番号関連のサービスは、バーチャルオフィスによって対応状況がまったく異なる。主要5社を一覧で比較した。
| サービス | 電話転送 | 電話代行 | 03番号取得 | 電話関連の月額目安 |
|---|---|---|---|---|
| レゾナンス | ○ | ○ | ○ | 転送3,300円〜/秘書7,700円〜 |
| ワンストップビジネスセンター | ○ | ○(プラン込み) | ○ | ビジネスプラン9,790円〜 |
| NAWABARI | ○ | × | × | ビジネスプラン1,628円〜 |
| GMOオフィスサポート | × | × | × | 電話サービスなし |
| DMMバーチャルオフィス | × | × | × | 電話サービスなし |
ご覧の通り、GMOオフィスサポートとDMMバーチャルオフィスには電話関連のサービスが一切ない。筆者が使っているGMOもこの点は明確なデメリットだ。電話番号の取得を考えている方は、最初からレゾナンスかワンストップビジネスセンターを選んだほうがいい。
バーチャルオフィス契約後に「やっぱり電話番号が欲しい」と思っても、GMOやDMMではオプション追加ができない。電話番号を使う可能性が少しでもある場合は、レゾナンスのように後からオプション追加できるサービスを選んでおくのが安全だ。
レゾナンス|電話番号サービスの充実度No.1
電話番号まわりで最も選択肢が豊富なのがレゾナンスだ。電話転送と電話秘書代行の両方をオプションで追加でき、03番号の取得にも対応している。
基本料金は月額990円〜と安く、電話転送(月額3,300円〜)を追加しても合計4,290円〜で住所と03番号が揃う。電話秘書代行を追加しても月額8,690円〜で、ワンストップビジネスセンターよりは安い。
「今は電話転送だけでいいけど、将来的に電話秘書も使うかもしれない」という人にとって、段階的にサービスを追加できる柔軟さは大きな魅力だ。
レゾナンスの詳細は「レゾナンスの口コミ・評判」にまとめている。
ワンストップビジネスセンター|電話秘書がプラン料金に含まれる
ワンストップビジネスセンターのビジネスプラン(月額9,790円〜)には、電話秘書代行と03番号が最初から含まれている。オプションの追加を考える必要がないので、「電話番号と電話代行は確実に使う」と決まっている人にとっては手間がかからない。
月額だけ見ると高く感じるが、レゾナンスで基本料990円+電話秘書7,700円を足すと8,690円になる。ワンストップのビジネスプランは会議室利用なども込みなので、フルサービスで考えるとコスパは悪くない。
NAWABARI|050番号での電話対応
NAWABARIのビジネスプラン(月額1,628円〜)には電話要件転送が含まれている。着信があるとオペレーターが要件を聞き取り、メールで通知してくれる仕組みだ。
ただし、NAWABARIで取得できるのは050番号のみ。03番号には対応していない。ネットショップの特定商取引法表示など、「電話番号が必要だけど固定電話でなくてもいい」というケースには十分対応できる。
特定商取引法の表示に必要な「電話番号」は、050番号でも問題ない。03番号(固定電話番号)が求められるのは、主に取引先への信頼性を重視するBtoB事業の場合だ。
GMOオフィスサポート・DMM|電話サービスなし
筆者が利用しているGMOオフィスサポートには、電話転送も電話代行も電話番号の取得サービスもない。DMMバーチャルオフィスも同様だ。
この2社は住所利用と郵便転送に特化したサービスで、電話周りは完全に割り切っている。その分、GMOは月額660円〜・初期費用0円、DMMも月額660円〜と料金が安い。電話番号が不要な事業であれば、この割り切りはむしろメリットになる。
電話番号は本当に必要?業種別の判断基準
バーチャルオフィスで電話番号を取得するかどうかは、事業の内容と取引先の性質で決まる。全員に必要なものではない。
電話番号が必要になりやすい業種
固定電話番号があったほうがいいのは、以下のような業種だ。
- 士業(税理士・行政書士・社労士など):顧客からの相談が電話で入ることが多い。信頼性の面でも固定電話番号は欲しい
- 不動産関連:物件の問い合わせは電話が主流。携帯番号だけだと営業力が落ちる
- コンサルタント・営業代行:クライアントとの電話連絡が頻繁に発生する
- BtoC事業全般:個人のお客さんは電話で問い合わせたい人がまだ多い
こういった業種の場合、電話番号の取得コスト(月額3,000〜10,000円程度)は事業への投資として十分ペイする。
電話番号がなくても問題ない業種
一方で、電話番号がなくても事業が回る業種も多い。
- IT・Web系(開発、デザイン、マーケティング):連絡手段はメールやSlack、Chatworkが中心
- ECサイト運営:問い合わせはメールフォームで対応可能。特定商取引法の表示にはメールアドレスでも対応できる
- ライター・クリエイター:クライアントとのやり取りはチャットツールがメイン
- コンテンツビジネス:ブログ、YouTube、オンライン講座など電話対応が不要な事業
自分の事業がどちらに当てはまるか考えれば、電話番号の要否はおのずと見えてくるはずだ。
電話番号サービスは月額3,000〜10,000円の固定費になる。使わない電話番号にお金を払い続けるのは無駄だ。本当に必要になったタイミングでオプション追加できるサービス(レゾナンスなど)を選んでおけば、最初は住所だけの契約で始めて後から電話番号を追加する運用もできる。
筆者がGMOを電話なしで使っている理由
ここからは実体験の話をする。筆者はGMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円)を契約しているが、電話番号サービスは使っていない。そもそもGMOには電話サービスがないので、使いたくても使えないのだが、それを承知のうえで契約した。
事業上、固定電話が不要だった
IT系の事業を2名で運営しているが、取引先との連絡はほぼメールとチャットで完結している。問い合わせもWebフォーム経由で受けていて、電話がかかってくる場面がほとんどない。
名刺にも公式サイトにも電話番号は載せていない。それで取引先から信用を疑われたことは一度もない。IT業界では「電話番号を載せない」ことは珍しくないからだ。
銀行口座もクレカも電話番号なしで開設できた
「法人の固定電話番号がないと銀行口座が開設できないのでは?」と心配する人もいるが、筆者の経験では問題なかった。
法人口座・法人カードの審査体験
GMOオフィスサポートの住所で法人登記した後、GMOあおぞらネット銀行の法人口座を申し込んだ。固定電話番号の欄は携帯番号を記入したが、約1週間で審査が通った。三井住友カード ビジネスオーナーズも同様に、携帯番号だけで申し込んで問題なく発行されている。
もちろん、すべての銀行・カード会社がそうだとは言い切れない。ただ、固定電話番号がないこと自体が審査落ちの直接的な原因になることは少ないというのが実感だ。
法人口座の開設で重要なのは、固定電話番号の有無よりも「事業の実態があるかどうか」だ。事業内容の説明資料やWebサイトの準備のほうが審査には効果的。
電話番号が必要になったら後から対応する方針
今後、事業の方向性が変わって電話番号が必要になる可能性はゼロではない。その場合は、IP電話アプリで050番号を取得するか、別途電話代行サービスを契約するつもりだ。
バーチャルオフィスを乗り換える選択肢もあるが、法人登記の住所変更は手間も費用もかかる。電話番号だけの問題であれば、バーチャルオフィスはそのままで外部の電話サービスを追加するほうが現実的だ。
まとめ
バーチャルオフィスで電話番号を取得する方法は、電話転送・電話代行・IP電話アプリの3つ。対応しているサービスは限られていて、レゾナンスとワンストップビジネスセンターが電話番号サービスの充実度で頭ひとつ抜けている。
一方、GMOオフィスサポートやDMMバーチャルオフィスには電話サービスがない。ただし、電話番号が不要な事業であれば、電話サービスがない分だけ料金が安くなるメリットがある。
最終的に大切なのは、自分の事業に電話番号が本当に必要かどうかを見極めることだ。必要なら最初から電話対応が充実したサービスを選ぶ。不要なら、コスト重視でシンプルなサービスを選ぶ。どちらが正解かは事業内容次第だ。
- 03番号+電話秘書が必要 → レゾナンス(転送3,300円〜/秘書7,700円〜、後から追加可能)
- 電話秘書込みのフルサービス → ワンストップビジネスセンター(月額9,790円〜)
- 050番号で最低限の対応 → NAWABARI(月額1,628円〜のビジネスプラン)
- 電話番号は不要 → GMOオフィスサポート(月額660円〜・初期費用0円)
バーチャルオフィス全体の比較を知りたい方は「バーチャルオフィスおすすめ8選|料金・機能を徹底比較」も参考にしてほしい。電話サービスに特化した比較は「電話転送・電話代行付きバーチャルオフィスおすすめ5選」にまとめている。


