「副業を始めたいけど、自宅住所をネット上に公開するのは抵抗がある」
会社員の副業が当たり前になってきた今、こう感じている方は多いはずだ。特にネットショップやブログ運営、フリーランス案件の受注など、Web上でビジネスをするなら住所の公開を求められる場面は意外と多い。
結論から言うと、副業の内容によってはバーチャルオフィスがあった方がいい。ただし、すべての副業に必要というわけではない。
この記事では、どんな副業にバーチャルオフィスが必要なのかを整理したうえで、副業向けのおすすめサービスを5つ紹介する。
IT系の事業を2名で運営している。GMOオフィスサポートを実際に契約し、ビジネス住所として日常的に使っている。
そもそも副業にバーチャルオフィスは必要なのか
まず、副業でバーチャルオフィスが必要かどうかは副業の種類によって変わる。
たとえばクラウドソーシングでライティングやデザインの案件を受ける程度なら、住所を公開する場面はほとんどない。クライアントとのやり取りはプラットフォーム上で完結するので、バーチャルオフィスなしでも問題なく活動できる。
一方で、以下のような副業をしている(またはこれから始める)なら、バーチャルオフィスの導入を検討する価値がある。
特定商取引法の表記が必要な副業
ネットショップやハンドメイド販売、有料noteや情報商材の販売など、消費者に対してモノやサービスを販売する副業では、特定商取引法に基づく表記が義務づけられている。
ここには事業者の氏名と住所を記載しなければならない。つまり、何も対策しなければ自宅住所がネット上に公開されることになる。
バーチャルオフィスを使えば、特商法の表記にバーチャルオフィスの住所を記載できるので、自宅住所を晒さずに済む。
開業届を出して本格的に始める副業
副業の収入が増えてきて開業届を出す段階になると、「納税地」として住所を届け出る必要がある。
自宅住所でも問題ないが、将来的に事業を拡大する可能性があるなら、最初からバーチャルオフィスの住所で開業届を出しておく方が後々ラクだ。後から住所を変更すると、取引先への通知や各種届出の修正が発生して手間がかかる。
自宅以外の住所を納税地にする場合は、税務署へ**「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」**の提出が必要になる。開業届と一緒に提出しておくとスムーズだ。
名刺やWebサイトに住所を載せる副業
コンサルティングやWeb制作の受注など、名刺を使ってクライアントと直接やり取りする副業なら、住所の記載は信頼感に直結する。
名刺に自宅のマンション名が書いてあると、「この人に仕事を頼んで大丈夫かな」と不安に感じるクライアントもいる。合理的かどうかはさておき、ビジネスの世界では住所が信用のシグナルになることは事実だ。
- ネットショップ・ハンドメイド販売(特商法の住所記載が必要)
- フリーランス案件の受注(名刺・契約書に住所記載)
- 開業届を出して青色申告する副業(納税地の届出)
- 有料コンテンツ・情報商材の販売
逆に、クラウドソーシング経由の受注だけ、ブログのアドセンス収入だけといった副業なら、バーチャルオフィスがなくても困ることはほぼない。
副業でバーチャルオフィスを使うときの注意点
副業でバーチャルオフィスを契約する前に、知っておくべき注意点がある。ここを押さえておかないと、「契約したけど意味がなかった」「想定外のトラブルが起きた」ということになりかねない。
会社の就業規則を確認する
副業がOKな会社でも、会社の住所とは別に事業用の住所を持つことについて規定がある場合がある。バーチャルオフィス自体は合法なサービスだが、念のため就業規則を確認しておくのが安全だ。
なお、「バーチャルオフィスを契約したこと自体が会社にバレる」ということはまずない。副業がバレる主な原因は住民税の金額変動なので、確定申告時に住民税を普通徴収(自分で納付)にしておくことが大事だ。
副業がバレるリスクを減らすには、確定申告書の「住民税の徴収方法」で**「自分で納付(普通徴収)」を必ず選択**しよう。特別徴収のままだと、会社に届く住民税の通知額が変わり、副業の存在が伝わる可能性がある。
月額料金以外のコストも見る
副業の段階では、できるだけ固定費を抑えたいはずだ。バーチャルオフィスの月額料金は660円〜と安いが、初期費用・郵便転送料・オプション料金を含めたトータルコストで比較してほしい。
月額が安くても初期費用が5,000円以上かかるサービスもあれば、月額に転送料が含まれていないサービスもある。副業の収入がまだ少ない段階では、この差額が地味に効いてくる。
サービスを比較するときは「月額料金 + 初期費用 + 郵便転送料」の合計で年間コストを計算してみよう。月額が安くても、初期費用や転送実費が加わると年間では逆転するケースがある。
利用できない業種がある
バーチャルオフィスの住所では、士業(弁護士・税理士など)や人材派遣業、古物商などの営業許可が取れない。これらの業種は物理的なオフィスの実態が求められるためだ。
とはいえ、Web系・IT系・コンサル・物販・コンテンツ販売など、副業として多い業種の大半は問題なく利用できる。
士業(弁護士・税理士など)、人材派遣業、古物商など、物理的なオフィスの実態が求められる業種はバーチャルオフィスの住所では営業許可を取得できない。自分の副業が該当しないか、契約前に確認しておこう。
副業におすすめのバーチャルオフィス5選
ここからは、副業で使いやすいバーチャルオフィスを5つ紹介する。月額料金の安さ、初期費用の有無、将来の拡張性の3点を重視して選んだ。
GMOオフィスサポート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額料金 | 660円〜 |
| 初期費用 | 0円 |
| 法人登記 | 対応(月1転送プラン1,650円〜) |
| 郵便転送 | 月1〜週1(転送料込み) |
| 拠点数 | 全国19拠点 |
副業でバーチャルオフィスを初めて使うなら、GMOオフィスサポートが最も無難だ。
追加費用がかかりにくい料金体系
理由はシンプルで、初期費用0円・郵便転送料込みという料金体系が副業の予算感に合っている。「あとからオプション料金が加算されて月額が膨らむ」という心配がほとんどない。
僕自身、GMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円)を使っている。副業で始めるなら転送なしプラン(月額660円)か月1転送プラン(月額1,650円)で十分だろう。事業が軌道に乗ってからプランを上げればいいので、最初は最小限のコストで始められる。
正直な感想として、届いた郵便物の写真を確認するには月額+1,100円のオプションが必要な点は微妙だ。ただ、副業の段階で届く郵便物はそこまで多くないので、転送されるのを待つスタイルでも問題ないはずだ。
東証プライム上場グループの安心感
運営元がGMOインターネットグループ(東証プライム上場)という安心感も大きい。バーチャルオフィスの住所は事業の基盤になるものなので、運営会社の信頼性は軽視できない。
レゾナンス
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額料金 | 990円〜 |
| 初期費用 | 5,500円 |
| 法人登記 | 対応(990円〜) |
| 郵便転送 | 月4回(別途実費) |
| 拠点数 | 都内中心に11拠点 |
副業で電話転送や電話秘書サービスが必要なら、レゾナンスが候補になる。GMOオフィスサポートにはない電話系サービスが充実しており、コンサルや営業系の副業をしている方に向いている。
法人登記が月額990円〜と安いのも特徴だ。副業が本業に育って法人化する段階になっても、コストを抑えたまま移行できる。
初期費用5,500円がかかる点は副業向けとしてはやや痛いが、電話サービスが必要なら検討の価値がある。
NAWABARI
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額料金 | 1,100円〜 |
| 初期費用 | 0〜5,500円 |
| 法人登記 | 非対応 |
| 郵便転送 | あり(別途実費) |
| 拠点数 | 1拠点(目黒区) |
ネットショップやハンドメイド販売の副業に特化しているのがNAWABARIだ。BASEやSTORES、Shopifyとの連携を打ち出しており、特商法の住所記載用としてバーチャルオフィスを使いたいEC副業者には使い勝手がいい。
法人登記には対応していないので、将来的に法人化を考えている方には不向きだ。あくまで「個人事業の副業で、特商法の住所として使いたい」という明確な目的がある方向けのサービスである。
バーチャルオフィス1
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額料金 | 880円 |
| 初期費用 | 5,500円 |
| 法人登記 | 対応(880円) |
| 郵便転送 | 月4回(実費相当額・平均約489円/月) |
| 拠点数 | 3拠点(渋谷・神保町・広島) |
「副業を法人化する前提で、最安で法人登記したい」という方にはバーチャルオフィス1が合っている。法人登記込みで月額880円は業界最安クラスで、月4回転送+LINE通知も標準付帯だ。初期費用は5,500円。
さらに「法人口座開設保証制度」があり、提携先の銀行口座開設が保証されている点はユニークだ。副業から法人化するとき、法人口座の開設は最初のハードルになりがちなので、この保証は心強い。
拠点数が3拠点と少ないのがデメリットだが、住所の選択肢よりコスト優先という方なら十分候補になる。
和文化推進協会
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額料金 | 550円 |
| 初期費用 | 0円 |
| 法人登記 | 対応 |
| 郵便転送 | あり |
| 拠点数 | 京都1拠点 |
月額550円は業界最安だ。一般社団法人が運営しているバーチャルオフィスで、ハンドメイド作家やクリエイター系の副業をしている方に人気がある。
拠点が京都のみなので、東京の住所が欲しい方には向かない。ただ、「住所が使えればエリアはこだわらない」「とにかくコストを抑えたい」という副業の初期段階なら、最もハードルが低い選択肢だ。
副業向けバーチャルオフィス比較表
| サービス | 月額 | 初期費用 | 法人登記 | こんな副業向け |
|---|---|---|---|---|
| GMOオフィスサポート | 660円〜 | 0円 | 対応 | 迷ったらまずこれ |
| レゾナンス | 990円〜 | 5,500円 | 対応 | 電話転送が必要な人 |
| NAWABARI | 1,100円〜 | 0〜5,500円 | 非対応 | ネットショップ副業 |
| バーチャルオフィス1 | 880円 | 5,500円 | 対応 | 法人化前提の人 |
| 和文化推進協会 | 550円 | 0円 | 対応 | とにかく最安で始めたい |
各サービスのより詳しい比較は、バーチャルオフィスおすすめ8選の記事も参考にしてほしい。
副業の段階からバーチャルオフィスを使って感じたこと
僕の場合、副業というより最初から法人設立の目的でGMOオフィスサポートを契約した。ただ、振り返ると副業の段階から使っておけばよかったと思う場面が何度かある。
銀行口座・クレジットカードの審査は問題なし
たとえば法人設立後、銀行口座やクレジットカードの申し込みにバーチャルオフィスの住所を使ったが、どちらも問題なく審査を通過した。GMOあおぞらネット銀行の法人口座は約1週間で開設完了。三井住友カード ビジネスオーナーズも一発で発行された。
バーチャルオフィスの住所だから審査で不利になるのでは、という不安は杞憂だった。少なくとも大手が運営するバーチャルオフィスの住所であれば、社会的な信用は十分に担保されていると実感している。
年間コストは副業の経費感覚で収まる
年間コストは約3万円。東京都内で賃貸オフィスを借りたら月額10万円以上かかることを考えると、バーチャルオフィスは副業のコスト感覚にフィットするサービスだと思う。月額660円のプランなら年間でも約8,000円。副業の経費としてもまったく痛くない金額だ。
バーチャルオフィスの基本的な仕組みについて知りたい方は、バーチャルオフィスとは?仕組み・メリット・デメリットを解説も読んでみてほしい。
まとめ:副業でもバーチャルオフィスは「保険」になる
副業にバーチャルオフィスが必須かどうかは、副業の内容次第だ。ただ、特商法の表記が必要な副業、開業届を出す段階に来ている副業、名刺やWebに住所を載せる副業なら、バーチャルオフィスの導入は検討する価値がある。
月額660円〜で自宅住所を公開するリスクをゼロにできるのは、副業の「保険」として考えれば十分安い。事業が拡大して法人化することになっても、そのまま同じ住所を使い続けられるので、最初から契約しておいて損はない。
コスパ重視で選ぶなら、格安バーチャルオフィスおすすめ6選の記事もあわせて参考にしてほしい。フリーランスとして独立を視野に入れている方は、フリーランスにバーチャルオフィスは必要?も読んでおくと判断材料が増えるはずだ。
迷っている方は、初期費用0円のGMOオフィスサポートあたりから始めてみよう。合わなければ解約すればいいだけなので、考えすぎるよりまず試してみるのがおすすめだ。


