バーチャルオフィスをとにかく安く使いたい。そう考えて調べると、必ず候補に上がるのがGMOオフィスサポート(月額660円〜)と和文化推進協会(月額500円)の2つだ。
結論から言うと、トータルコストと機能の充実度ならGMOオフィスサポート、月額の安さだけを追求するなら和文化推進協会。ただし、この2社はサービスの「性質」がまったく違うので、月額だけで選ぶと後悔する可能性がある。
僕はGMOオフィスサポートを約半年利用していて、合同会社の登記から銀行口座・クレカの開設まで、すべてGMOの住所で完結させた。バーチャルオフィス選定時に和文化推進協会も調べたので、その比較経験をもとに正直に解説する。
GMOオフィスサポートの週1転送プランを契約中。和文化推進協会は未利用だが、公式情報とネットの口コミをもとにフェアに比較する。
GMOオフィスサポートと和文化推進協会の比較表
まず、2社の全体像を一覧で把握しておこう。
| 比較項目 | GMOオフィスサポート | 和文化推進協会 |
|---|---|---|
| 月額料金 | 660円〜 | 500円 |
| 初期費用 | 0円 | 6,000円(入会金) |
| 法人登記 | 対応(月額1,650円〜) | 対応 |
| 住所エリア | 全国19拠点(東京含む) | 京都1拠点のみ |
| 郵便転送 | あり(転送料込み) | あり(転送料は実費別途) |
| 電話対応 | なし | なし |
| 会議室 | なし | なし |
| 口座開設サポート | GMOあおぞら連携 | なし |
| 最低契約期間 | 12ヶ月 | 1ヶ月 |
| 運営元 | GMOインターネットグループ | 一般社団法人 |
月額だけ見ると和文化推進協会のほうが160円安い。でも、初期費用・郵便転送料・住所の選択肢・口座開設の連携まで含めると、見える数字と実際のコスパは別物だ。ここから各項目を掘り下げていく。
GMOオフィスサポートと和文化推進協会の料金比較
「月額500円 vs 660円」だけで判断するのは危ない。初期費用と転送料を含めた年間コストで比較しないと、実態が見えてこない。
住所利用のみ(最安プラン)の年間コスト
| GMOオフィスサポート | 和文化推進協会 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 6,000円(入会金) |
| 月額 × 12ヶ月 | 7,920円(660円/月) | 6,000円(500円/月) |
| 初年度トータル | 7,920円 | 12,000円 |
意外に思うかもしれないが、初年度はGMOのほうが4,080円安い。和文化推進協会は入会金6,000円がかかるため、月額の安さが初期費用で相殺されてしまう。
2年目以降は入会金がなくなるので、和文化推進協会が年間6,000円、GMOが年間7,920円。月額の差(160円×12ヶ月=1,920円)がそのまま年間の差になる。つまり2年目以降は和文化推進協会のほうが1,920円安い。
ただし、これは郵便転送を使わない前提の比較だ。
郵便転送を使う場合のコスト差
ここが重要なポイントになる。GMOオフィスサポートは郵便転送料が月額に含まれている。週1転送プラン(月額2,750円)でも月1転送プラン(月額1,650円)でも、転送のたびにお金がかかることはない。
和文化推進協会は転送料が実費別途だ。転送1回ごとに送料がかかるので、郵便物が頻繁に届く事業だと月額500円の安さが転送料で食われていく。
僕はGMOの週1転送プラン(月額2,750円)を使っているが、何が届いても追加費用を気にしなくていいのは精神的に楽だ。事業を始めたばかりの頃は「今月の転送料いくらだろう」と気にする余裕がなかったので、定額で全部込みのGMOにして正解だったと思っている。
- 初年度トータルはGMOのほうが安い(入会金0円の効果)
- 2年目以降の月額は和文化推進協会が年間1,920円安い
- 郵便転送を使うならGMOの「転送料込み」が有利
- 郵便物がほぼ届かないなら、2年目以降は和文化推進協会のコスパが光る
GMOオフィスサポートの料金プランをもっと詳しく知りたい方は「GMOオフィスサポートの料金プランを完全解説」を参照してほしい。
GMOオフィスサポートと和文化推進協会のサービス比較
料金以外のサービス面で、2社には決定的な違いがいくつかある。
法人登記:どちらも対応、ただし住所の選択肢が違う
GMOオフィスサポートも和文化推進協会も法人登記に対応している。ここまで安い価格帯で法人登記ができるのは、どちらも優秀だ。
ただし、決定的に違うのが登記できる住所のエリア。GMOは全国19拠点から選べるので、東京・大阪・名古屋・福岡など主要都市の住所で登記できる。和文化推進協会は京都の1拠点のみだ。
法人登記の住所は登記簿に載り、名刺にも記載され、取引先に見られるもの。東京で事業をしているのに登記住所が京都だと、「なぜ京都?」と聞かれることはある。気にしない業種もあるが、対面の取引が多い業種だと違和感を持たれるかもしれない。
僕は東京都内の住所で法人登記したかったので、この時点でGMOを選ぶことが確定した。京都の住所で問題ない事業なら、和文化推進協会の月額500円で法人登記できるのは破格だと思う。
郵便転送:仕組みの違いが日常の使い勝手に出る
前述の通り、GMOは転送料込み、和文化推進協会は転送料が実費別途。この違いは日常的にボディブローのように効いてくる。
GMOは週1転送・月1転送などプランごとに転送頻度が決まっていて、その中で何通届いても追加費用はかからない。月額の中にすべて含まれているので、コストの見通しが立ちやすい。
和文化推進協会は転送のたびに実費がかかる。郵便物が少ない月は安く済むが、法人登記していると税務署や年金事務所、銀行からの書類が定期的に届くので、想定より転送料が膨らむこともある。
正直なところ、「住所だけ使いたい、郵便物はほぼ届かない」という方なら転送料はそこまで気にしなくていい。でも法人登記している場合は、ある程度の郵便物は覚悟しておいたほうがいい。
郵便転送の仕組みについてもっと知りたい方は「バーチャルオフィスの郵便転送サービスを徹底解説」を読んでみてほしい。
銀行口座開設:GMOにはグループ連携の強みがある
バーチャルオフィスの住所で法人口座を開設できるかどうかは、法人化した人にとって最初のハードルだ。
GMOオフィスサポートはGMOあおぞらネット銀行と同じGMOグループ。この連携の強みは実感している。僕は実際にGMOあおぞらネット銀行で法人口座を申し込んで、約1週間で審査通過。追加書類を求められることもなく、一発で開設できた。さらにその住所で三井住友カード ビジネスオーナーズも問題なく発行された。
和文化推進協会にはこうした銀行連携の仕組みはない。和文化推進協会の住所で法人口座が開設できないわけではないが、銀行によってはバーチャルオフィスの住所を理由に審査が厳しくなるケースもある。グループ企業の銀行が存在するGMOのほうが、口座開設のハードルは低いと言える。
法人口座開設の体験については「バーチャルオフィスの住所で銀行口座は作れる?」で詳しくまとめている。
住所・拠点の違い:全国19拠点 vs 京都1拠点
これは好みではなく、事業の実態に合わせて選ぶべきポイントだ。
GMOオフィスサポートは全国19拠点。東京をはじめ、大阪、名古屋、福岡、横浜、札幌など主要都市を幅広くカバーしている。事業のエリアに合わせて住所を選べるのは大きな利点だ。
和文化推進協会は京都の1拠点のみ。そもそも和文化推進協会は日本の文化活動を支援する一般社団法人であり、バーチャルオフィスはその会員サービスの一環だ。全国展開する商業バーチャルオフィスとは成り立ちが違うので、拠点数で比較するのはフェアではないかもしれない。
ただ、利用者の立場からすると「住所をどこにするか」は事業に直結する話。取引先や顧客に対して不自然でない住所を選ぶことは、信頼性にも関わってくる。
京都の住所がプラスになるケースもある
京都の住所が逆にブランドになる業種もある。伝統工芸、和文化関連、観光業などは京都の住所がプラスに働く場合もあるだろう。一方で、IT系やコンサル系のように東京に集中している業種は、東京の住所のほうが自然だ。
筆者がGMOオフィスサポートを選んだ理由
2名でIT系の合同会社を立ち上げるにあたって、バーチャルオフィスの候補を絞り込んでいったとき、和文化推進協会も検討リストに入っていた。月額500円は魅力的だったし、法人登記にも対応している。
でも、最終的にGMOオフィスサポートを選んだのには理由がある。
東京の住所で法人登記したかった
まず、東京都内の住所が必要だった。IT系の事業で取引先も東京が中心なのに、登記住所が京都だと説明に困る。名刺や契約書に載る住所としては、東京のほうが自然だった。
初期費用0円のスタートしやすさ
次に、初期費用0円で始められる手軽さ。合同会社の設立だけでも登録免許税6万円がかかる。その上にバーチャルオフィスの入会金6,000円を払うより、初期費用0円でスタートできるGMOのほうが気持ちが楽だった。
GMOあおぞらネット銀行との連携が決め手
そして何より、GMOあおぞらネット銀行で法人口座をスムーズに開設できるという口コミをXで見たことが決め手になった。バーチャルオフィスの住所で法人口座が作れなかったら事業が始まらない。同じグループの銀行があるGMOなら安心だろうと判断し、実際に約1週間で一発審査通過。この選択は正解だった。
半年使った正直な感想
年間コスト約3万円で、法人の住所・銀行口座・ビジネスクレカがすべて揃った。大きな後悔はない。ただ、郵便物の写真確認に月額+1,100円かかるのは正直微妙で、何が届いたかわからないまま週1転送を待つのは地味に不便ではある。
GMOの使用感をもっと詳しく知りたい方は「GMOオフィスサポートの口コミ・評判を徹底レビュー」を読んでみてほしい。
用途別おすすめ:GMOオフィスサポートと和文化推進協会の選び方
ここまでの比較を踏まえて、用途別にどちらが向いているかを整理する。
GMOオフィスサポートが向いている人
東京など京都以外の住所で法人登記したい方。これはGMO一択だ。19拠点から事業エリアに合った住所を選べる。
郵便物が定期的に届く事業をしている方。転送料が月額に含まれているので、何通届いても追加コストを気にしなくていい。法人登記していると税務関連の書類だけでもそれなりの量になるので、この安心感は大きい。
法人口座の開設をスムーズに進めたい方。GMOあおぞらネット銀行との連携実績は、スタートアップの最初のハードルを下げてくれる。
和文化推進協会が向いている人
月額コストをとにかく最小限にしたいフリーランス・個人事業主。2年目以降は年間6,000円。この安さは他にない。住所だけ借りたい、郵便物もほぼ届かないという方にとっては最強のコスパだ。
京都の住所でも問題ない方。むしろ京都の住所がブランドになる業種なら積極的に選ぶ理由になる。和文化関連の事業や、クリエイター活動をしている方には自然な選択だ。
まずは短期間で試したい方。和文化推進協会の最低契約期間は1ヶ月。GMOの12ヶ月縛りと比べると、気軽に始められる。「バーチャルオフィスが本当に必要かまだわからない」という段階なら、まず和文化推進協会で試してみるのも手だ。
和文化推進協会の詳しい評判は「和文化推進協会の口コミ・評判」にまとめている。
- 東京の住所で法人登記する → GMOオフィスサポート
- 京都OKで月額最安を求める → 和文化推進協会
- 郵便転送を頻繁に使う → GMOオフィスサポート(転送料込み)
- 住所だけでOK、郵便はほぼなし → 和文化推進協会
- 法人口座をスムーズに開設したい → GMOオフィスサポート(GMOあおぞら連携)
- まず短期間でお試し → 和文化推進協会(最低契約1ヶ月)
まとめ:GMOオフィスサポートと和文化推進協会は「安さの質」が違う
GMOオフィスサポートと和文化推進協会は、どちらも業界最安クラスのバーチャルオフィスだ。でも、「安さ」の中身がまったく違う。
和文化推進協会は月額500円という圧倒的な安さ。非営利団体の会員サービスだからこそ実現できる価格で、住所利用に特化した最小限のサービスを提供している。
GMOオフィスサポートは初期費用0円・転送料込みのトータルコスパ。全国19拠点の住所選択肢、GMOあおぞらネット銀行との連携、定額制の郵便転送など、法人運営に必要なインフラが月額に含まれている。
月額だけ見れば和文化推進協会が安い。でも初年度トータルならGMO、郵便転送込みならGMO、住所の選択肢ならGMO。一方で、2年目以降の月額コスト・短期契約のしやすさ・京都の住所が使えるという点では和文化推進協会に軍配が上がる。
自分の事業に何が必要かを整理すれば、選ぶべきサービスは自然と決まるはずだ。
他のバーチャルオフィスも含めて比較したい方は「バーチャルオフィス格安おすすめ6選」、主要サービスの全体比較は「バーチャルオフィス主要10社比較」も参考にしてほしい。


