バーチャルオフィスを契約しようと思って調べ始めると、サービスの数が多すぎて比較が大変だ。料金体系もバラバラで、月額だけ見ても正直よくわからない。
自分も合同会社を立ち上げるとき、主要サービスを片っ端から調べて比較表を作った。2名でIT系の事業をやっていて、コストはできるだけ抑えたい。でも法人登記と郵便転送は必須。そんな条件でバーチャルオフィスを探した結果、最終的にGMOオフィスサポートを選んで約半年が経った。
この記事では、自分が契約前に比較した主要10社のデータを項目別に整理している。おすすめランキングではなく、各項目の比較表から自分に合ったサービスを見つけてもらうのが目的だ。「とにかくおすすめを知りたい」という方は「バーチャルオフィスおすすめ8選」のほうが向いている。
2名でIT系の事業を運営中。GMOオフィスサポートを約半年利用している。契約前に主要サービスを一通り比較検討したので、その経験をもとに整理した。
バーチャルオフィス主要10社の総合比較表
まずは10社の基本スペックを一覧で並べる。全体像をざっと掴んだうえで、この後の項目別比較を読んでもらうとわかりやすい。
| サービス | 月額 | 初期費用 | 拠点 | 法人登記 | 郵便転送 | 電話 | 会議室 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| METSオフィス | 270円〜 | 3,850円 | 東京5 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| THE HUB | 550円〜 | 年会費11,000円 | 全国1,000超 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| GMOオフィスサポート | 660円〜 | 0円 | 全国19 | ○ | ○(込み) | × | × |
| DMMバーチャルオフィス | 660円〜 | 5,500円 | 全国14 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| バーチャルオフィス1 | 880円 | 5,500円 | 3拠点 | ○ | ○ | × | × |
| PocketOffice | 980円〜 | 5,500円 | 東京1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| レゾナンス | 990円〜 | 5,500円 | 東京9+横浜+大阪 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| NAWABARI | 1,100円〜 | 0〜5,500円 | 東京1 | × | ○ | ○ | × |
| ユナイテッドオフィス | 2,310円〜 | 6,600円 | 東京9 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ワンストップビジネスセンター | 5,280円〜 | 10,780円 | 全国48 | ○ | ○ | ○ | ○ |
月額だけ見るとMETSオフィスの270円〜が圧倒的に安い。ただし初期費用や転送料を含めたトータルコストでは順位が変わってくるので、この表だけで判断するのは早い。
ここからは料金・法人登記・郵便転送・電話サービス・拠点数の5つの切り口で、もう少し深く比較していく。
料金で比較|月額だけでなくトータルコストで見る
バーチャルオフィスの料金比較で最も大事なのは、月額だけで判断しないことだ。初期費用が5,000円以上かかるサービスもあれば、0円のサービスもある。年間で計算すると、月額が安くてもトータルでは逆転するケースが普通にある。
| サービス | 月額 | 初期費用 | 初年度コスト(概算) |
|---|---|---|---|
| METSオフィス | 270円 | 3,850円 | 約7,090円 |
| GMOオフィスサポート | 660円 | 0円 | 約7,920円 |
| バーチャルオフィス1 | 880円 | 5,500円 | 初年度約16,060円 |
| DMMバーチャルオフィス | 660円 | 5,500円 | 約13,420円 |
| THE HUB | 550円 | 年会費11,000円 | 約17,600円 |
| PocketOffice | 980円 | 5,500円 | 約17,260円 |
| レゾナンス | 990円 | 5,500円 | 約17,380円 |
| NAWABARI | 1,100円 | 0〜5,500円 | 約13,200円〜 |
| ユナイテッドオフィス | 2,310円 | 6,600円 | 約34,320円 |
| ワンストップビジネスセンター | 5,280円 | 10,780円 | 約74,140円 |
※最安プランの月額×12ヶ月+初期費用で算出。郵便転送料が別途のサービスは含まず。
注目すべきは、月額270円のMETSオフィスと月額660円のGMOオフィスサポートの初年度コスト差がわずか830円しかない点。METSは初期費用3,850円がかかるため、その差が縮まっている。2年目以降はMETSが安くなるが、初年度のハードルで言えばGMOも十分に安い。
自分の場合、DMMバーチャルオフィスと最後まで比較した。月額は同じ660円だったが、初期費用0円+郵便転送料込みというトータルコストの差でGMOに決めた。年間で見ると1万円近い差になるので、この判断は正解だったと思う。
格安サービスをさらに詳しく知りたい方は「格安バーチャルオフィスおすすめ6選」も参考にしてほしい。
法人登記で比較|対応プランと追加料金がポイント
法人を設立するなら、バーチャルオフィスの住所で法人登記ができるかどうかは最重要ポイントだ。10社中9社は法人登記に対応しているが、登記可能なプランの月額は各社で差がある。
| サービス | 法人登記 | 登記対応プランの月額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| バーチャルオフィス1 | ○ | 880円 | 口座開設保証制度あり |
| レゾナンス | ○ | 990円〜 | 一等地住所が使える |
| METSオフィス | ○ | 1,100円〜 | 住所利用のみの最安プランは登記不可 |
| GMOオフィスサポート | ○ | 1,650円〜 | 初期費用0円 |
| DMMバーチャルオフィス | ○ | 2,530円〜 | 大手ブランドの安心感 |
| PocketOffice | ○ | 980円〜 | 全プラン登記対応 |
| THE HUB | ○ | 550円〜(+年会費11,000円) | 年会費がかかる点に注意 |
| ユナイテッドオフィス | ○ | 2,310円〜 | 都内9拠点 |
| ワンストップビジネスセンター | ○ | 5,280円〜 | フルサービス |
| NAWABARI | × | ― | EC特化のため法人登記非対応 |
法人登記込みの月額で最安はバーチャルオフィス1の880円。初期費用5,500円はかかるが月4回転送+LINE通知が標準付帯で、とにかく登記コストを抑えたい人には最有力だ。さらに法人口座の開設保証制度があるのもユニーク。
自分はGMOオフィスサポートの法人登記対応プラン(月額1,650円〜)を利用している。正直、月額だけならバーチャルオフィス1のほうが安い。ただ、自分の場合はGMOあおぞらネット銀行での法人口座開設を見据えていたので、同じGMOグループで揃えたほうがスムーズだろうと判断した。実際、口座開設は約1週間で完了した。
バーチャルオフィスの住所で法人登記すること自体は完全に合法。ただし、登記後の銀行口座開設やクレジットカード申し込みで「バーチャルオフィスだから」を理由に審査が厳しくなる可能性はゼロではない。運営元が信頼できるサービスを選んでおくと安心だ。
法人登記の具体的な手順や注意点は「バーチャルオフィスで法人登記する方法と注意点」で詳しく解説している。
郵便転送で比較|転送料が「込み」か「別途」かで年間コストが変わる
バーチャルオフィスを使う以上、届いた郵便物をどう受け取るかは避けて通れない。ここで比較すべきは転送頻度と転送料の扱いだ。
| サービス | 転送頻度 | 転送料 | 写真通知 | 来店受取 |
|---|---|---|---|---|
| GMOオフィスサポート | 週1〜月1 | 月額に込み | 有料(+1,100円/月) | × |
| レゾナンス | 週1〜月1 | 別途実費 | 無料(写真通知あり) | ○ |
| バーチャルオフィス1 | 月4回 | 月額に込み | ― | ○ |
| DMMバーチャルオフィス | 週1〜月1 | 別途実費 | ― | ○ |
| METSオフィス | 月1〜2回 | 別途実費 | ― | ○ |
| PocketOffice | 週1 | 月額に込み | ― | ○ |
| THE HUB | 月1回 | 別途実費 | ― | ○ |
| NAWABARI | 月1回 | 月額に込み | ― | × |
| ユナイテッドオフィス | 月2〜4回 | 別途実費 | ― | ○ |
| ワンストップビジネスセンター | 週1 | 月額に込み | ― | ○ |
郵便転送で大きな違いが出るのは、転送料が月額に含まれるか別途かかるかという点。GMOオフィスサポート・バーチャルオフィス1・PocketOffice・ワンストップビジネスセンターなどは転送料込みなので、追加コストを気にせず使える。
自分はGMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円)を利用中。転送料が込みなのは安心感がある。ただし正直なところ、郵便物の写真閲覧に月額+1,100円かかるのは不満だ。何が届いたか転送されるまでわからないのは地味に不便で、ここはレゾナンスの「写真通知無料」がうらやましいと感じる。
郵便物が頻繁に届く事業なら、転送料込みかどうかは年間で数千円〜1万円以上の差になる。契約前に必ず確認しておこう。
電話サービスで比較|必要な人と不要な人で選択肢が変わる
バーチャルオフィスの電話サービスには大きく分けて「電話転送」「電話秘書代行」「専用電話番号の付与」がある。10社中8社が何らかの電話サービスを提供しているが、GMOオフィスサポートとバーチャルオフィス1には電話サービスがない。
| サービス | 電話転送 | 電話秘書代行 | 備考 |
|---|---|---|---|
| レゾナンス | ○ | ○ | オプションで追加可能 |
| DMMバーチャルオフィス | ○ | × | 転送のみ |
| ワンストップビジネスセンター | ○ | ○ | 基本料に含む |
| PocketOffice | ○ | ○ | オプション |
| ユナイテッドオフィス | ○ | ○ | オプション |
| METSオフィス | ○ | × | オプション |
| THE HUB | ○ | × | オプション |
| NAWABARI | ○ | × | オプション |
| GMOオフィスサポート | × | × | 電話サービスなし |
| バーチャルオフィス1 | × | × | 電話サービスなし |
電話サービスが充実しているのはレゾナンスとワンストップビジネスセンター。取引先からの電話対応が必要な士業やコンサルタントなら、この2社が候補になる。
一方、自分のようにIT系の事業で電話対応がほぼ不要なケースでは、電話サービスは「なくてもいい」機能だ。GMOオフィスサポートに電話サービスがないことは、自分にとってはマイナスにならなかった。むしろ不要な機能がない分、料金が抑えられていると考えている。
ここは自分の事業で電話対応が必要かどうかで判断すればいい。必要ならレゾナンス、不要ならGMOやバーチャルオフィス1を選べばコストを抑えられる。
拠点数で比較|地方にも対応しているかがカギ
東京都内で探しているなら拠点数はさほど気にならないが、地方で事業をしている人や、特定のエリアの住所が欲しい人にとっては重要な比較軸だ。
| サービス | 拠点数 | エリア |
|---|---|---|
| THE HUB | 1,000超 | 全国(提携拠点含む) |
| ワンストップビジネスセンター | 48 | 全国主要都市 |
| GMOオフィスサポート | 19 | 東京・横浜・名古屋・大阪・京都・福岡など |
| DMMバーチャルオフィス | 14 | 東京・大阪・名古屋・福岡など |
| レゾナンス | 11 | 東京9+横浜+大阪 |
| ユナイテッドオフィス | 9 | 東京のみ |
| METSオフィス | 5 | 東京のみ |
| バーチャルオフィス1 | 3 | 東京・広島 |
| PocketOffice | 1 | 東京のみ |
| NAWABARI | 1 | 東京のみ |
全国展開の広さではTHE HUBが圧倒的。ただし提携拠点含みなので、サービス内容に拠点ごとの差がある点は注意。全国の主要都市を自社拠点でカバーしているのはワンストップビジネスセンターで、地方在住の人にとっては心強い。
GMOオフィスサポートは全国19拠点。東京はもちろん、横浜・名古屋・大阪・京都・福岡といった主要都市をカバーしている。自分は東京都内の拠点を使っているが、全国展開しているサービスのほうが将来の選択肢が広がるだろうと考えて選んだ面もある。
自分がGMOオフィスサポートを選んだ判断基準
ここまで5つの項目で比較してきたが、「結局筆者はなぜGMOを選んだのか」を整理しておく。
自分の条件は「法人登記ができて、郵便転送があって、トータルコストが安い」の3つ。電話サービスと会議室は不要だった。この条件でふるいにかけると、最終候補はGMOオフィスサポートとDMMバーチャルオフィスの2社に絞られた。
最終的にGMOに決めたのは以下の理由だ。
- 初期費用が0円(DMMは5,500円)
- 郵便転送料が月額に込み(DMMは別途実費)
- Xで「GMOの住所だとGMOあおぞらネット銀行の法人口座が開設しやすい」という口コミを複数見た
実際に契約して約半年。審査は翌日に完了し、GMOあおぞらネット銀行の法人口座は約1週間で開設。三井住友カード ビジネスオーナーズも一発で通った。年間コスト約3万円で法人としてのインフラが整ったので、大きな後悔はない。
強いて不満を挙げるなら、先述のとおり郵便物の写真閲覧が別料金(+1,100円/月)な点。レゾナンスの写真通知無料は正直うらやましい。とはいえ、トータルコストと口座開設の実績を含めた総合判断ではGMOで正解だったと思っている。
GMOオフィスサポートの詳しいレビューは「GMOオフィスサポートの口コミ・評判」にまとめている。サービス詳細はGMOオフィスサポートの詳細ページも参照してほしい。
目的別|バーチャルオフィスの選び方まとめ
10社の比較データをふまえて、目的別に最適なサービスを整理する。
- トータルコスト重視 → GMOオフィスサポート(月額660円〜・初期費用0円・転送料込み)
- 法人登記を最安で → バーチャルオフィス1(登記込み月額880円・口座開設保証あり)
- 月額をとにかく安く → METSオフィス(月額270円〜・東京限定)
- 電話秘書が必要 → レゾナンス(月額990円〜・電話秘書オプションあり)
- 全部入りのフルサービス → ワンストップビジネスセンター(月額5,280円〜)
- EC・ネットショップ特化 → NAWABARI(月額1,100円〜・BASE公式パートナー)
- 地方で探している → ワンストップビジネスセンター(全国48拠点)
迷ったときの判断基準はシンプルで、法人登記が必要かどうかと電話サービスが必要かどうかの2点で大枠は決まる。どちらも不要で住所だけ使いたいならMETSオフィスやGMOの最安プラン。法人登記が必要で電話は不要ならGMOかバーチャルオフィス1。法人登記も電話も必要ならレゾナンスかワンストップビジネスセンター、という具合だ。
レゾナンスの詳細はレゾナンスの詳細ページでも確認できる。
まとめ|バーチャルオフィスの比較は「月額+α」で判断する
バーチャルオフィス10社を料金・法人登記・郵便転送・電話サービス・拠点数の5つの軸で比較してきた。
最も伝えたいのは、月額料金だけで選ばないこと。初期費用、郵便転送の料金体系、法人登記の追加料金まで含めたトータルコストで比較すると、見え方がかなり変わる。
自分はGMOオフィスサポートを選んで後悔はしていない。初期費用0円で始められて、法人口座もクレカも問題なく開設できた。ただ、これは「法人登記+郵便転送が必要で、電話サービスは不要」という自分の条件に合っていたからだ。条件が違えば、ベストな選択肢も変わってくる。
この記事の比較表を使って、自分の条件に合ったサービスを絞り込んでみてほしい。バーチャルオフィスでの銀行口座開設が気になる方は「バーチャルオフィスで銀行口座は開設できる?」も合わせて読んでおくと安心だ。


