「バーチャルオフィスの住所って、取引先や銀行にバレるんじゃないか…」
バーチャルオフィスの契約を検討しているとき、誰もが一度は考える不安だと思う。バレたら信用を失うのでは、口座開設を断られるのではと心配になる気持ちはよくわかる。
結論から言うと、バーチャルオフィスだとバレる可能性はある。ただし、バレたとしても実務上ほぼ問題にならない。
僕自身、バーチャルオフィスの住所で合同会社を登記し、法人口座もクレジットカードも開設している。半年以上使ってきて、住所が原因でトラブルになったことは一度もない。
この記事では「バレる」ケースを具体的に整理したうえで、それぞれのケースで実際にどんな影響があるのかを正直にお伝えする。
筆者はGMOオフィスサポートを利用中。東京都内の住所で合同会社を登記し、法人口座・クレカの開設もすべてバーチャルオフィスの住所で行っている。
そもそも「バレる」とは何を意味するのか
まず整理しておきたいのは、バーチャルオフィスの利用は完全に合法だということだ。法人登記にも使えるし、開業届の住所としても認められている。
つまり「バレる」という表現自体が、何か悪いことをしているようなニュアンスを含んでいるが、隠すべきことは何もない。正確に言えば「バーチャルオフィスだと相手にわかる可能性があるか」という話だ。
バーチャルオフィスの利用は法律で認められた正当なビジネス手段だ。法人登記・開業届の住所としても使えるため、「バレる=問題」ではない点を押さえておこう。
とはいえ、取引先や銀行がどう受け止めるかは気になるところ。ここからはケース別に見ていこう。
ケース1:取引先にバレるか
結論から言えば、取引先に自分からバーチャルオフィスだと伝えない限り、バレる可能性は低い。
名刺やWebサイトに記載するのはあくまで「住所」だけ。その住所がバーチャルオフィスかどうかは、見ただけではわからない。
ただし、以下のケースでは気づかれる可能性がある。
取引先が住所を検索した場合
取引先がGoogle マップなどで住所を検索すると、バーチャルオフィスの拠点が表示される場合がある。「GMOオフィスサポート」や「レゾナンス」といったサービス名が出てくれば、バーチャルオフィスだと推測されるかもしれない。
とはいえ、取引先がわざわざこちらの住所をGoogle マップで調べるケースがどれくらいあるかというと、正直ほとんどないと思う。僕自身、取引先の住所をGoogle マップで検索したことはない。
来社を求められた場合
「一度オフィスにお伺いしたい」と言われたとき、バーチャルオフィスだと対応が難しくなる。ただ、最近はリモートワークが当たり前になっているので、「普段はリモートで作業しています」と伝えれば不自然ではない。
打ち合わせが必要なら、バーチャルオフィスの会議室を利用したり、カフェやコワーキングスペースで対応すれば済む話だ。
取引先にバレた場合の影響
仮にバーチャルオフィスだとわかったとしても、それだけで取引を断られることはまずない。取引先が重視するのは事業の実態やサービスの質であって、オフィスの形態ではないからだ。
特にIT系やWeb系の業界では、固定オフィスを持たない企業はもはや珍しくない。僕も2名でIT系の事業をやっているが、取引先から住所について突っ込まれたことは一度もない。
ケース2:銀行にバレるか
銀行に対しては、そもそもバレるもバレないもないというのが正しい認識だ。
法人口座の開設時には登記簿謄本を提出するので、本店所在地は銀行側に筒抜けだ。そして銀行はその住所がバーチャルオフィスかどうか、当然把握している。
ネット銀行なら問題なく開設できる
重要なのは、バーチャルオフィスの住所だとわかったうえで口座を開設してくれる銀行があるということだ。
僕の場合、GMOオフィスサポートの住所でGMOあおぞらネット銀行の法人口座を申し込んだが、約1週間で審査通過。追加書類の要求もなく、すんなり開設できた。
ネット銀行を中心に、バーチャルオフィスに理解のある銀行は増えている。
- GMOあおぞらネット銀行 — GMOグループ同士の相性もあり、開設しやすい
- 住信SBIネット銀行 — ネット銀行大手で柔軟な審査
- PayPay銀行 — スタートアップに理解がある
メガバンクは厳しい場合がある
一方で、三菱UFJ銀行やみずほ銀行などのメガバンクでは、バーチャルオフィスの住所だと審査が通りにくい傾向がある。メガバンクは事業実態の確認が厳しいため、固定オフィスがないことをネガティブに捉えるケースがあるようだ。
メガバンクでの法人口座開設はバーチャルオフィス住所だと審査が厳しい。最初の口座はネット銀行で開設し、事業実績を積んでからメガバンクに申し込むのが現実的な戦略だ。
ただ、法人口座はネット銀行で十分に事業運営できる。振込手数料もネット銀行のほうが安いことが多いので、メガバンクにこだわる必要性はそこまで高くない。
銀行口座の開設について詳しくは、バーチャルオフィスで銀行口座は開設できる?対応銀行と手順を解説で解説している。
ケース3:税務署にバレるか
税務署に対しても、バレるという概念自体がない。
法人設立届出書や確定申告書には登記上の住所を記載するので、税務署はその住所を把握している。そしてバーチャルオフィスの住所で届出をすること自体、何の問題もない。
税務署が見ているのは「事業が適正に行われているか」「正しく申告しているか」であって、オフィスの形態は関係ない。バーチャルオフィスの住所だからといって、税務調査の対象になりやすいといったこともない。
ただし、税務調査が入る場合は実際の作業場所を確認されることがある。自宅で作業している場合は自宅が調査場所になるので、その点は覚えておくとよい。
税務調査では登記上の住所ではなく、実際の作業場所が調査対象になる。自宅で業務を行っている場合は、自宅に調査官が来る可能性があるため、帳簿や書類を整理しておこう。
ケース4:Google マップ検索でバレるか
これはバレる可能性が比較的高いケースだ。
バーチャルオフィスの住所をGoogle マップで検索すると、同じビルに入居しているバーチャルオフィスのサービス名が表示されることがある。また、同一住所で大量の会社がGoogleビジネスプロフィールを登録していれば、「ここはバーチャルオフィスだな」と推測されやすくなる。
対策はあるか
正直なところ、Google マップからの推測を完全に防ぐ方法はない。ただし、先ほども書いた通り、わざわざ取引先や顧客があなたの会社の住所をGoogle マップで調べるケースは多くない。
BtoBのビジネスでは、商談の前に相手企業の住所を調べることはあっても、それはアクセス確認が目的であって、「バーチャルオフィスかどうか」を調べているわけではないのが普通だ。
ケース5:登記簿検索でバレるか
法人登記の情報は公開されており、法務局やオンラインサービスで誰でも確認できる。
登記簿謄本に記載されるのは住所のみで、「バーチャルオフィス」という情報は一切載らない。ただし、同じ住所に多数の法人が登記されていれば、詳しい人なら「バーチャルオフィスの住所だな」と気づく可能性はある。
- 読み取れる:会社名、本店所在地、代表者名、設立年月日、事業目的など
- 読み取れない:住所がバーチャルオフィスかどうか、実際の作業場所がどこか
登記簿には「バーチャルオフィス利用」とは記載されないため、住所の情報だけで断定することはできない。ただし、同一住所に多数の法人が存在することは、登記情報検索サービスなどで確認可能だ。
与信調査でバレるケース
大手企業と取引する際に、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの与信調査が入ることがある。調査会社はバーチャルオフィスの住所リストを持っている可能性が高いので、この場合はバレると考えたほうがよい。
ただし、与信調査で見られるのは住所だけではない。事業の実態、財務状況、取引実績など総合的に判断されるので、「バーチャルオフィスだから取引不可」とはなりにくいのが実態だ。
バレても問題ない理由
ここまで「バレるケース」を見てきたが、そもそもバレて困ることはほとんどないというのが僕の実感だ。
その理由を整理する。
バーチャルオフィスの利用は完全に合法
何度も言うが、バーチャルオフィスの利用は法律で認められた正当なビジネス手段だ。やましいことは何もないので、バレたところで問題になりようがない。
バーチャルオフィスが「怪しい」と思われがちな理由については、バーチャルオフィスは怪しい?不安を解消する5つのチェックポイントで詳しく解説している。
大手企業グループが運営している
GMOオフィスサポートはGMOインターネットグループ(東証プライム上場)が運営しており、DMMバーチャルオフィスも大手DMMグループが展開している。こうした大手が堂々とサービスを提供していること自体が、バーチャルオフィスの社会的な認知度と信頼性を裏付けている。
固定オフィスを持たない働き方は珍しくない
コロナ禍以降、リモートワークや場所にとらわれない働き方は完全に市民権を得た。スタートアップや少人数の会社がバーチャルオフィスを使うのは、もはやごく自然な選択だ。
僕も2名でIT系の事業をやっているが、日常の業務はすべてリモートで完結している。固定オフィスにかかるコストを事業投資に回せるのは、小規模な会社にとって大きなメリットだ。
実際に半年以上使ってみた実感
僕はGMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円)で合同会社を運営している。半年以上使ってきた中で、住所がバーチャルオフィスであることが原因で困ったことは一度もない。
むしろ、年間コスト約3万円で東京都内の一等地の住所が使えるのは、コスト面で本当にありがたい。この住所で法人口座を開設し、三井住友カード ビジネスオーナーズやFreeeカードも発行してもらえた。
正直なところ、「バレるかどうか」を気にするよりも、事業の中身を充実させることに時間を使ったほうがいいというのが半年使った率直な感想だ。
バーチャルオフィスの基本的な仕組みについては、バーチャルオフィスとは?仕組み・メリット・デメリットを解説も参考にしてほしい。
バーチャルオフィスを選ぶときに気をつけたいこと
「バレても問題ない」とは言っても、バーチャルオフィス選びで手を抜いていいわけではない。信頼性の高いサービスを選ぶことで、バレたときのリスクをさらに下げられる。
大手が運営するサービスを選ぶ
万が一取引先にバーチャルオフィスだとわかったとしても、「GMOグループが運営するサービスを使っています」と言えるのと、聞いたこともない業者のサービスを使っているのとでは、相手の受け止め方が違う。
住所の見た目に注意する
バーチャルオフィスの中には、ビル名と部屋番号まで使える住所と、ビル名のみの住所がある。ビル名まで記載できる住所のほうが、見た目の信頼感は高くなる。
郵便物の管理をしっかりする
銀行や取引先からの重要書類を確実に受け取れる体制を整えておくことも大事だ。郵便転送の頻度が遅すぎると、期限のある書類に対応できないリスクがある。
バーチャルオフィスを選ぶなら、大手グループ運営・ビル名付き住所・週1以上の郵便転送の3点を満たすサービスがおすすめだ。GMOオフィスサポートやレゾナンスはいずれも条件を満たしている。
- バーチャルオフィスだとバレる可能性はあるが、バレても実務上ほぼ問題ない
- 銀行や税務署は住所を把握しているが、バーチャルオフィスの利用自体は合法なので不利にならない
- 「バレるかどうか」より事業の実態を充実させることのほうが圧倒的に重要
まとめ
バーチャルオフィスの住所がバレる可能性はゼロではない。Google マップでの検索や登記簿の確認、与信調査などを通じて、相手に知られるケースはあり得る。
ただし、バーチャルオフィスの利用は完全に合法であり、バレたからといって不利益を被ることはほぼない。僕自身、バーチャルオフィスの住所で法人登記・銀行口座開設・クレジットカード発行をすべて問題なく行えている。
大事なのは「バレるかどうか」を心配することではなく、信頼できるサービスを選んだうえで、事業の中身で勝負すること。バーチャルオフィスはそのための合理的な手段だ。
バーチャルオフィスの利用を前向きに検討している方は、バーチャルオフィスとは?仕組み・メリット・デメリットを解説から読み進めてみてほしい。


