バーチャルオフィスを契約しようと調べ始めると、サービスの数が多すぎて「結局どこがいいの?」となりがちだ。月額料金、初期費用、法人登記、郵便転送、拠点エリア……比較すべき項目が多く、何を軸に選べばいいのかわからない。
僕自身、契約前にかなり時間をかけて比較検討した。最終的にGMOオフィスサポートに決めたが、その過程で「ここを見ておかないと後悔する」というポイントがはっきり見えてきた。
この記事では、バーチャルオフィスの選び方を7つのポイントに整理して解説する。単なるチェックリストではなく、実際に契約して使っている立場から「なぜそこが重要なのか」まで踏み込んで書いた。
GMOオフィスサポートを約半年利用中。契約前にかなり比較検討した。その経験から、ここだけは見ておくべきポイントを整理する。
まず「何のためにバーチャルオフィスを使うのか」を決める
選び方のポイントに入る前に、最も大事なことを先に言う。利用目的を明確にすることだ。
これを曖昧にしたまま料金やサービスを比較し始めると、情報の多さに振り回されて判断がブレる。バーチャルオフィスの利用目的は、大きく分けると以下のパターンに整理できる。
- 住所だけ欲しい(自宅住所を公開したくない、特商法の住所表記が必要)
- 法人登記に使いたい(合同会社・株式会社の本店所在地にする)
- 住所+郵便転送が必要(事業で届く書類を受け取りたい)
- 電話番号や会議室も欲しい(取引先との連絡手段や打ち合わせスペースが必要)
目的によって重視すべきポイントがまったく変わる。住所だけ使うなら月額660円のプランで十分だが、法人登記するなら対応プランを選ぶ必要がある。電話サービスが必要ならそもそも対応していないサービスは候補から外れる。
目的が明確になっていれば、7つのポイントのうちどこを重視すべきかが自然と決まる。
最初に「住所だけ」「法人登記も」「郵便転送も」など利用目的を1つに絞ると、7つのポイントのうち重視すべき項目が3つ程度に絞れる。比較がぐっと楽になるので、料金表を見る前にまず目的を整理しよう。
ポイント1:月額料金ではなく年間トータルコストで比較する
バーチャルオフィス選びで一番やりがちな失敗が、月額料金だけで判断してしまうことだ。
月額500円台〜のサービスもあるが、それだけで飛びつくと想定外のコストが上乗せされるケースがある。バーチャルオフィスの料金には、月額料金以外に以下のようなコストが含まれる。
- 初期費用(0円〜5,500円が相場。中には保証金がかかるサービスも)
- 郵便転送料(月額に含まれるサービスと、別途実費がかかるサービスがある)
- オプション料金(郵便物の写真閲覧、電話転送、会議室利用など)
僕がGMOオフィスサポートに決めた大きな理由のひとつが、初期費用0円+郵便転送料込みという料金体系のわかりやすさだった。最後までDMMバーチャルオフィスと迷ったが、DMMは初期費用5,500円+転送料が別途かかる。月額は同じ660円スタートでも、初年度のトータルコストで見ると差が出る。
GMOオフィスサポート(転送なしプラン)の場合、月額660円×12ヶ月=年間7,920円。初期費用0円なのでこれがそのまま初年度コストだ。一方、初期費用5,500円のサービスで同じ月額なら初年度は13,420円〜。月額だけ見ると同じでも、年間で5,000円以上の差が出る。
年間トータルコストの比較について詳しくは、格安バーチャルオフィス6社比較の記事で具体的な数字を出している。
ポイント2:法人登記対応の有無と追加料金を確認する
今は個人事業主でも、「将来的に法人化するかもしれない」なら法人登記対応のサービスを選んでおくべきだ。
理由は単純で、後からサービスを乗り換えると住所変更のコストが発生するから。法人登記後にバーチャルオフィスを変更すると、本店移転登記の手続きが必要になり、登録免許税だけで3万円〜6万円かかる。
法人登記後にバーチャルオフィスを乗り換えると、本店移転登記の登録免許税(3万〜6万円)に加え、定款変更や各種届出の手間もかかる。法人化の可能性が少しでもあるなら、最初から法人登記対応のサービスを選んでおくのが鉄則だ。
注意してほしいのが、すべてのバーチャルオフィスが法人登記に対応しているわけではないということ。さらに、同じサービスでもプランによって対応・非対応が分かれる。
たとえばGMOオフィスサポートの場合、最安の転送なしプラン(月額660円)では法人登記できない。法人登記には月1転送プラン(月額1,650円〜)以上が必要だ。ここを見落としてプラン選びを間違えると、あとからプラン変更する手間が発生する。
法人登記について詳しくは、バーチャルオフィスで法人登記する方法の記事で手順と注意点を解説している。
ポイント3:郵便転送の料金体系と頻度をチェックする
郵便転送は、実際に使い始めてから「思ってたのと違う」となりやすいポイントだ。
チェックすべきは主に3つ。転送頻度(週1回・月1回など)、転送料金が月額に含まれるか別途かかるか、そしてオプションの内容だ。
僕はGMOオフィスサポートの週1転送プラン(月額2,750円)を使っている。転送料は月額に含まれているので追加費用はかからない。頻度も週1なので、届いた書類が何週間も放置されることはなく、事業で使う分には十分だ。
郵便物の写真閲覧が標準かオプションかも要確認
ただし、想定外だったのが郵便物の写真閲覧がオプション(月額+1,100円)だったこと。他社では標準機能として付いていることもあるのに、GMOでは別料金だ。何が届いたか転送されるまでわからないのは地味に不便で、正直ここは契約前にもっとちゃんと確認すればよかったと思っている。
- 転送頻度(月1回?週1回?即日対応あり?)
- 転送料金は月額に含まれるか別途実費か
- 届いた郵便物の写真閲覧は標準かオプションか
- 書留・速達など特殊郵便の対応
- 来店受取(自分で取りに行く)は可能か
郵便物が少ない人なら月1転送で十分だが、銀行や税務関連の書類が頻繁に届く人は週1転送以上を選ぶ方が安心だ。
ポイント4:拠点の立地とエリアカバーを確認する
バーチャルオフィスの住所は、名刺・ホームページ・登記簿に載る「会社の顔」だ。だからどのエリアの住所を使えるかは意外と重要である。
確認すべきは以下の2つ。
ひとつは自分の事業に合ったエリアの住所が使えるか。東京都内の一等地(港区・渋谷区・中央区など)の住所は信頼感があるし、大阪や名古屋に拠点が欲しい場合は全国展開しているサービスを選ぶ必要がある。
もうひとつは拠点数の多さ。拠点が多いサービスの方が、自分に合ったエリアを選べるだけでなく、将来的に住所を変えたいときにサービス内で拠点を移せる可能性がある。
| サービス名 | 拠点数 | 主なエリア |
|---|---|---|
| GMOオフィスサポート | 19拠点 | 東京・横浜・大阪・名古屋・福岡 等 |
| DMMバーチャルオフィス | 14拠点 | 東京・横浜・大阪・名古屋・福岡 等 |
| レゾナンス | 11拠点 | 東京(港区・中央区)中心 |
| バーチャルオフィス1 | 3拠点 | 東京都内中心 |
東京だけでよいなら選択肢は多いが、地方の住所が必要ならGMOやDMMのように全国展開しているサービスが候補になる。
ポイント5:運営会社の信頼性と実績を見る
バーチャルオフィスは月単位・年単位で長く使うサービスだ。特に法人登記に使う場合、運営会社が突然サービスを終了したら住所変更が必要になり、登記変更の手続きとコストが発生する。
だから運営会社の信頼性は思っている以上に重要だ。
チェックすべきポイントは、運営歴の長さ、運営会社の規模、利用者数の実績だ。
GMOオフィスサポートはGMOインターネットグループが運営している。東証プライム上場のグループ企業なので、突然のサービス終了リスクは低い。僕が契約時にここを重視した理由のひとつだ。
Xで「GMOの住所だと銀行口座が開設しやすい」という口コミを見たのも大きかった。実際、GMOあおぞらネット銀行での口座開設は一発で通った。これは同じGMOグループという信頼関係が効いている可能性がある。
バーチャルオフィスの運営元の信頼性は、法人銀行口座の審査にも影響する。大手運営のバーチャルオフィスは銀行側の認知度が高く、審査がスムーズに進みやすい傾向がある。法人口座の開設を予定しているなら、運営会社の知名度も判断材料に入れておこう。
小規模運営でも実績があれば選択肢になる
一方で、小規模な運営会社のバーチャルオフィスが悪いわけではない。レゾナンスのように、バーチャルオフィス専業で長年の実績がある会社もある。要は「このサービスは3年後、5年後も安心して使えるか」を自分なりに判断するということだ。
バーチャルオフィスの信頼性について不安がある方は、バーチャルオフィスは怪しい?も参考にしてほしい。
ポイント6:最低契約期間と解約条件を確認する
意外と見落としがちなのが、最低契約期間と解約条件だ。
バーチャルオフィスには「最低○ヶ月契約」という縛りがあるサービスが多く、契約期間内に解約すると違約金が発生したり、残りの期間分の料金を請求されたりすることがある。
また、年払い・半年払いで割引が効くプランもあるが、途中解約時に返金されるのかどうかは事前に確認しておくべきだ。
僕は最初に「合わなかったら乗り換えればいい」くらいの気持ちでいたが、法人登記してしまうと住所変更のコストがかかるため、実質的に乗り換えのハードルは高くなる。だからこそ、契約期間や解約条件は「入口」の段階でしっかり確認しておく方がいい。
- 最低契約期間は何ヶ月か
- 途中解約時の違約金はあるか
- 年払い・半年払いの途中解約で返金はあるか
- 解約後、住所の利用はいつまで可能か
ポイント7:自分に不要なオプションに惑わされない
バーチャルオフィスのサービスは年々充実してきていて、電話転送、電話秘書代行、会議室利用、法人口座開設サポートなど、さまざまなオプションが用意されている。
ただし、オプションが豊富=自分にとって良いサービスとは限らない。
僕の場合、IT系の事業なので電話サービスは不要だった。会議室もほとんど使わない。必要なのは住所利用と郵便転送だけ。だからオプションの充実度よりも、基本サービスのコストパフォーマンスを重視した。
逆に、取引先との電話対応が多い人なら電話秘書サービスがあるレゾナンスが合っているし、ネットショップ運営がメインならNAWABARIの方が使い勝手がいい。
つまり選ぶべきは「機能が一番多いサービス」ではなく、「自分に必要な機能がちょうど揃っているサービス」だ。不要なオプションに月額を払い続けるのが一番もったいない。
契約前に「自分が使うオプション」と「使わないオプション」を紙に書き出してみよう。使わないオプション込みのプランしかないサービスは、月額が安く見えても実質的に割高になる。
目的別:どのポイントを重視すべきか
7つのポイントを並べたが、全部を同じ重みで比較する必要はない。利用目的によって重視すべきポイントは変わる。
住所だけ欲しい(特商法対策・プライバシー保護) → トータルコスト(ポイント1)と拠点エリア(ポイント4)を重視。法人登記や郵便転送の優先度は低め。
法人登記に使いたい → 法人登記対応(ポイント2)と運営会社の信頼性(ポイント5)が最優先。長期利用が前提なので、解約条件(ポイント6)も重要。
住所+郵便転送をしっかり使いたい → 郵便転送の料金体系と頻度(ポイント3)を最重視。転送料が月額に含まれるかどうかで年間コストが大きく変わる。
電話対応や会議室も必要 → オプションの内容と料金(ポイント7)を精査。レゾナンスなど電話サービスに強いサービスを中心に検討。
筆者がGMOオフィスサポートに決めた理由
最後に、僕自身がどうやってバーチャルオフィスを選んだのかを共有する。
僕の利用目的は「法人登記+郵便転送」。IT系の事業を2名で運営しており、電話サービスや会議室は不要だった。
比較検討したのは主にGMOオフィスサポートとDMMバーチャルオフィスの2社だ。どちらも大手運営で信頼性は十分。月額料金もほぼ同水準。
最終的にGMOに決めた理由は3つあった。
ひとつは初期費用0円。DMMは初期費用5,500円がかかるので、スタート時点のハードルが違った。
ふたつめは郵便転送料が月額に含まれること。DMMは転送料が別途かかるため、トータルコストで差が出る。
みっつめはXでの口コミ。「GMOの住所だと銀行口座が開設しやすい」という情報を見て、法人登記後の口座開設まで見据えた判断ができた。実際、GMOあおぞらネット銀行の口座は約1週間で開設できている。
契約後にわかったデメリット
一方で、郵便物の写真閲覧がオプション(月額+1,100円)なのは契約後に知って「うーん」と思ったポイントだ。ここは事前に確認が足りなかった。今は写真閲覧なしで使っているが、何が届いたかわからないまま転送を待つのは地味にストレスだ。
とはいえ、年間コスト約3万円(週1転送プラン)で法人登記・銀行口座・クレカまで一通り揃ったので、トータルでは満足している。
各サービスのより詳しい比較はバーチャルオフィスおすすめ8選で、GMOオフィスサポートの詳細はサービス詳細ページでまとめている。
まとめ:バーチャルオフィスの選び方は「目的」から逆算する
バーチャルオフィスの選び方で大切なのは、料金表だけを見て選ばないことだ。
7つのポイントを改めて整理する。
- 月額ではなく年間トータルコストで比較する
- 法人登記対応の有無と追加料金を確認する
- 郵便転送の料金体系と頻度をチェックする
- 拠点の立地とエリアカバーを確認する
- 運営会社の信頼性・実績を見る
- 最低契約期間と解約条件を確認する
- 自分に不要なオプションに惑わされない
すべてを完璧に満たすサービスはない。だからこそ、最初に「自分が何のためにバーチャルオフィスを使うのか」を決めて、そこから逆算して重視するポイントを絞るのが賢い選び方だ。
迷っている方は、初期費用0円で始められるGMOオフィスサポートから検討してみてほしい。僕自身が使っていて、トータルバランスが良いサービスだと実感している。
銀行口座の開設が不安な方はバーチャルオフィスで銀行口座は開設できる?も参考になるはずだ。


