バーチャルオフィスで住所は借りられるけど、電話対応はどうすればいいのか。取引先や顧客から電話がかかってくる業種だと、これは切実な問題だ。
自分は2名でIT系の事業を運営していて、GMOオフィスサポートを約半年使っている。正直なところ、うちの事業は電話対応がほぼ不要なので、電話サービスがないGMOでまったく困っていない。ただ、契約前にバーチャルオフィスを比較したとき、電話サービスの有無と内容が各社でかなり違うことに気づいた。
この記事では、電話転送・電話代行サービスが使えるバーチャルオフィス5社を比較する。「電話転送と電話代行の違いがよくわからない」「そもそも自分に電話サービスが必要なのか判断できない」という方にも役立つ内容にした。
筆者が使っているGMOオフィスサポートには電話サービスがない。IT系の事業なのでメール中心で困っていないが、電話対応が必要な方は要注意だ。
バーチャルオフィスの基本的な選び方を先に知りたい方は「バーチャルオフィスおすすめ8選」から読んでおくとスムーズだ。
まず知っておくべき「電話転送」「電話代行」「AI応答」の違い
バーチャルオフィスの電話サービスには3つの種類がある。これを理解しておかないと、比較表を見ても正しく判断できない。
電話転送(着信転送)
かかってきた電話を、あらかじめ登録しておいた携帯番号などにそのまま転送するサービス。仕組みはシンプルで、03番号にかかった電話が自分のスマホで鳴る、というイメージだ。
自分で電話に出る必要があるため、打ち合わせ中や移動中は対応できない。ただしオペレーターを介さない分、料金は比較的安い。
電話代行(電話秘書)
専門のオペレーターが自分の代わりに電話を受けてくれるサービス。「只今外出しておりますので、折り返しご連絡いたします」といった対応をして、着信内容をメールやチャットで報告してくれる。
自分が電話に出られないときでも対応してもらえるのが最大の強み。ただし転送より月額が3,000〜5,000円ほど高くなるのが一般的だ。
AI電話応答
最近DMMバーチャルオフィスが導入した新しい形態。AIが電話を受けて、内容をテキストに起こして通知してくれる。人が対応するわけではないので24時間対応が可能で、オペレーター不在の心配もない。
まだ導入しているサービスは限られているが、コストを抑えつつ電話の取りこぼしを防ぎたい人には面白い選択肢だ。
- 自分で電話対応したい → 電話転送でOK。03番号を取得して携帯に転送
- 電話に出られない時間が多い → 電話代行(電話秘書)が安心
- とりあえず着信を逃したくない → AI応答でコストを抑える
電話サービス付きバーチャルオフィス5社の比較表
電話サービスが利用できる主要5社を一覧で比較する。各社の電話サービスの種類と料金感を把握してほしい。
| サービス | 電話転送 | 電話秘書 | AI応答 | 03番号 | 月額追加料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| レゾナンス | ○ | ○ | × | ○ | 転送3,300円〜/秘書7,700円〜 |
| DMMバーチャルオフィス | ○ | × | ○(AI秘書) | ○ | AI秘書無料(ベーシック以上) |
| ワンストップビジネスセンター | ○ | ○ | × | ○ | プランに込み |
| NAWABARI | ○(要件転送) | × | × | × | プランに込み |
| Karigo | ○ | ○ | × | ○ | 月額3,300円〜 |
なお、GMOオフィスサポートには電話サービスが一切ない。自分はこの点を理解したうえで契約したが、電話対応が事業上必要な方はGMOを選ぶべきではない。ここは明確にデメリットだ。
各社の電話サービスを詳しく比較
比較表だけでは見えない部分を、各社ごとに掘り下げる。
レゾナンス|電話転送も電話秘書も揃う万能型
電話サービスの充実度で言えば、レゾナンスが一番バランスが良い。電話転送と電話秘書の両方をオプションで選べるので、事業の成長に合わせてサービスを追加できる。
オプション料金と報告方法
- 電話転送:月額3,300円〜で03/050番号を取得可能
- 電話秘書代行:月額7,700円〜でオペレーターが対応
- 報告方法:メール、Slack、Chatworkなど選べる
専任サービスとのコスト比較
電話秘書代行の月額7,700円は安くはないが、専任の電話代行サービスを別途契約すると月額1万円以上かかることが多い。バーチャルオフィスの基本料(月額990円〜)と合わせても1万円以下で住所+電話秘書が揃うと考えれば、トータルコストとしては悪くない。
自分がGMOでなくレゾナンスを選んでいたとしたら、電話秘書をつけるかどうかで迷っていたと思う。結局うちの事業には不要だったので、電話サービスがない分コストが安いGMOで正解だったが、電話対応が必要なら真っ先に検討すべきサービスだ。
レゾナンスの詳細は「レゾナンスの口コミ・評判」や「GMOオフィスサポートとレゾナンスの比較」も参考にしてほしい。
DMMバーチャルオフィス|AI秘書が無料で使える新しい選択肢
DMMバーチャルオフィスの注目ポイントは、ベーシックプラン以上でAI秘書サービスが無料で使えること。人間のオペレーターではなくAIが電話を受けて、通話内容をテキスト化して通知してくれる。
- AI秘書:ベーシックプラン(月額2,530円〜)で追加料金なし
- 電話転送:オプションで利用可能
- 03番号の取得:対応
「電話秘書に月額7,000円以上は払いたくないけど、着信の取りこぼしは避けたい」という人にはちょうどいい落としどころだ。AIなので24時間対応できるのもポイント。ただし、相手がAI応答に違和感を持つ可能性はゼロではない。重要な取引先からの電話が多い場合は、人間のオペレーターが対応するレゾナンスやワンストップビジネスセンターのほうが無難だろう。
DMMの全体的なレビューは「DMMバーチャルオフィスの口コミ・評判」にまとめている。
ワンストップビジネスセンター|電話秘書が基本料金に込み
ワンストップビジネスセンターは月額5,280円〜と他社より高いが、電話秘書代行が基本プランに含まれているのが特徴だ。オプションで追加する手間がなく、契約した時点で電話対応まで全部揃う。
- 電話転送:プランに込み
- 電話秘書:プランに込み
- 03番号:取得可能
- 全国48拠点で地方にも対応
他社との料金比較で見ると実は割安
月額だけ見ると高く感じるが、レゾナンスで基本料990円+電話秘書7,700円を足すと8,690円になる。ワンストップなら5,280円で電話秘書まで込みなので、電話秘書が確実に必要な人にとってはむしろ割安だ。
士業やコンサルタントなど、電話対応が事業の信頼に直結する業種にはフィットするサービスだと思う。
NAWABARI|電話要件転送でシンプルに対応
NAWABARIの電話サービスは少し特殊で、いわゆる「要件転送」型だ。着信があったらオペレーターが要件を聞き取り、その内容をメールで通知してくれる。電話秘書ほどの丁寧な対応ではないが、プラン料金に込みで追加費用がかからない。
ただし、03番号の取得には対応していない。050番号になるため、固定電話番号にこだわる方には向いていない。NAWABARIはもともとネットショップ向けのサービスなので、EC事業で「一応電話窓口は置いておきたい」くらいのニーズに合っている。
Karigo|老舗の安定感で電話秘書も対応
全国60拠点以上を展開する老舗のKarigoも、オプションで電話転送・電話秘書に対応している。
- 電話転送:月額3,300円〜
- 電話秘書代行:月額3,300円〜
- 03番号の取得:対応
電話秘書の月額3,300円〜はレゾナンスの7,700円〜と比べるとかなり安い。ただし、対応品質や報告方法の柔軟性で差がある可能性はある。地方拠点で電話秘書も使いたい、という人にとっては検討に値するサービスだ。
03番号の取得について知っておくべきこと
電話サービスを検討する際、「03番号を使いたい」というニーズは多い。東京03で始まる固定電話番号があると、取引先からの信頼度が上がると言われている。
03番号を取得できるのはレゾナンス・DMMバーチャルオフィス・ワンストップビジネスセンター・Karigoの4社。NAWABARIは050番号のみの対応だ。
- 03番号は東京の住所を契約している場合のみ取得可能(他エリアは市外局番が変わる)
- 料金はオプションとして月額2,000〜5,000円が相場
- 番号ポータビリティに対応していないサービスもあるため、解約時に番号を引き継げない場合がある
ちなみに、自分の事業では名刺にも公式サイトにも電話番号を載せていない。問い合わせはすべてメールとフォームで受けている。IT系の事業ならこの運用で十分回るので、無理に電話番号を取得する必要はないと感じている。
そもそも電話サービスは本当に必要か?
ここまで電話サービス付きのバーチャルオフィスを比較してきたが、正直に言うと電話サービスが不要なら、わざわざ電話付きのサービスを選ぶ必要はない。不要な機能にお金を払うのはもったいないからだ。
電話サービスが「必要」なケースと「不要」なケースを整理しておく。
電話サービスが必要な人
- 取引先や顧客から電話がかかってくる業種(士業、不動産、コンサルなど)
- 名刺やWebサイトに固定電話番号を載せたい
- 法人としての信頼性を電話番号で担保したい
電話サービスが不要な人
- 問い合わせはメールやフォームで完結する業種(IT、Web、クリエイティブなど)
- 個人の携帯番号で対応できる規模の事業
- できるだけランニングコストを抑えたい
不要なら電話なしのサービスでコストを抑える
自分は後者のタイプだったので、電話サービスのないGMOオフィスサポートを選んだ。月額2,750円(週1転送プラン)で住所利用+郵便転送+法人登記が全部揃っていて、初期費用も0円。電話サービスがない分、トータルコストが抑えられている。
必要なのに電話なしを選ぶと二重コストに
逆に、電話対応が必要な事業で「コスト重視だから」とGMOを選んでしまうと、後から別途電話代行サービスを契約する羽目になる。それなら最初からレゾナンスやワンストップビジネスセンターを選んだほうがトータルでは安く済む。
バーチャルオフィス全体の比較は「バーチャルオフィス主要10社を徹底比較」で詳しくまとめている。
電話サービス付きバーチャルオフィスの選び方まとめ
電話サービス付きバーチャルオフィス5社を比較してきた。最後に、目的別の選び方を整理する。
- 電話秘書+柔軟なオプション → レゾナンス(転送3,300円〜/秘書7,700円〜)
- AI応答でコストを抑えたい → DMMバーチャルオフィス(AI秘書無料)
- 電話秘書を基本料に含めたい → ワンストップビジネスセンター(月額5,280円〜で全部込み)
- EC事業で最低限の電話窓口 → NAWABARI(プラン料金に込み)
- 地方拠点+電話秘書 → Karigo(全国60拠点以上・秘書3,300円〜)
- 電話サービスは不要 → GMOオフィスサポート(月額660円〜・初期費用0円)
電話サービスの種類と料金は各社でかなり差があるので、「自分の事業で電話対応がどれくらい必要か」を先に整理してから選ぶのがポイントだ。必要なら電話秘書の充実したレゾナンスやワンストップビジネスセンター、不要ならコスト重視でGMOオフィスサポートを選べば失敗しない。


